「「買わない」私が、気になる売り場」

カオスな「ニュー新橋ビル」とエコな「イオンレイクタウン」

これからのショッピングモールは郊外型? 駅前型?

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2010年2月5日(金)

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人物紹介

菊地 眞弓:レースクイーンやミスコン荒らしなど「バブルでGO」を満喫した20代を経て、今や贅沢に飽きてほとんどモノを買わなくなったアラフォー女子

WITH三波 毒夫:流通の現場に出向き、同業者や取引先と情報交換するのが3度のメシよりも好きという謎の中年男。「WITH」は、「お客様とともに」を意味する

たまたま出会った2人が「世の中に、気づき・幸せ・役立ちを与える」で意気投合。今日も流通の最前線を歩きます。

WITH三波 毒夫(以下、三波) そういえば最近、僕たちのコラムアイコンにもなっている「大型ショッピングモール」に行っていないね。

菊地 眞弓(以下、菊地) そういえば、そうですね。最近、物欲ないですからね(笑)。まあ、そんな私が興味を持つ売り場視察がこの企画コラムですからね。

三波 そこで今回は、今の時代にとても注目される最先端技術を採用した日本最大級のエコショッピングセンターに行こうかと。

菊地 エコショッピングセンター? “エコ”な商品を集めた場所ですか??

三波 “エコな商品”ではなく、“エコな技術”の中に約560店舗を集めた場所だね。埼玉県越谷市にある「イオンレイクタウン(AEON LakeTown)」だよ。

菊地 聞いたことがあります。駅前都市開発のケーススタディとして話題になっている施設ですよね。

三波 東京ドーム6個分の大きさに注目のショップがズラリ。ファッション、エステ、グルメにスイーツ、映画館・・・。「人と自然に“心地いい”空間とサービス」を提供するショッピングセンターらしいよ。僕も行ったことがないから視察してみたくてね。

菊地 東京ドーム6個分?! ショッピング好きなら、1日中滞在してしまいそうな広さですね。

 あっ、そういえば私も視察したいショッピングセンターがありますよ! 新橋駅前にある、なんだか宇宙センター? っぽい外観が目を惹く「ニュー新橋ビル」。

“サラリーマンのオアシス”に女子系雑貨ショップ

三波 (驚!)。なんで菊地さんがサラリーマンのオアシス、ニュー新橋ビルを視察したいの?

菊地 実は先日、広尾にあるメキシコ料理店で食事をした際に、店内にある調度品の数々に興味を持ち、ご店主に訪ねたところ、赤坂で30年以上開業していたメキシコ民族グッズ店から購入したものらしく、今はニュー新橋ビルの4階へ移転したらしいのです。

 なんでも旦那さんがそこで歯科医をしていて、ご勇退後、空いたスペースに店舗を構えたそうで。そこの2階にはフラメンコのスタジオもあるみたいで、ちょっと興味ありませんか?

三波 興味あるどころか、僕は24年前からの常連(胸を張る)。でも、あの闇市跡地のビルに女子に響くショップがあったとはね・・・。まさにカオス。

菊地 闇市跡地! カオス?! それは益々興味津々!! 自然発生型闇市出身でカオスな「ニュー新橋ビル」と、綿密なマーケティングに裏打ちされた先端型でエコな「イオンレイクタウン」を視察してみましょう。

WITH三波毒夫の「業界ヒアリング裏情報」
〜駅前開発関係者に聞く〜

 「消費」を前提に、今最も注目されるのは駅直結型ショッピングセンター。人と輸送機関が出会う場所で多くの消費が生まれるからだ。各地で駅前再開発が盛んに行われている。

 そして、そのテーマの多くは「エコ」。消費という、いわばエコとは正反対の行動に、エコを生み出す可能性を模索している。

 その一例として「ラゾーナ川崎プラザ」に直結する川崎駅西口エリアがある。その成功に伴い、東口開発も進行中だ。東口は現在、地下商店街の過密、道路交通網の未整備、公共施設不足、バリアフリー未対応などといった問題を解決するために市の再開発担当者たちが試行錯誤している。

 そこで駅前開発に携わる者たちの間で話題になっているのが、日本最大のエコショッピングセンターと銘打つイオンレイクタウン。この施設がアピールしている「エコな取り組み」は、以下に代表される。

イオンレイクタウン注目の「5エコ」

1. 電気を使うから電気をつくる、エコ発想から生まれた「ソーラーパネル」
国内商業施設最大規模と言われるソーラーパネルの合計面積は4000平方メートル。オリンピックプール約4面分の広さを誇る。瞬間最大発電量は487キロワット(Kaze:236キロワット、Mori:245キロワット、レイクタウンゲート:6キロワット)、年間約41万キロワット時の太陽光発電を行う。これにより削減されるCO2(二酸化炭素)排出量は年間約175トンとのこと。
2. ハイブリッドガスシステム
発電した電気の一部を利用して、施設内冷房を行う「ハイブリッドガスエコシステム」。日本初のシステムで、このシステム導入を含め、熱源システム全体で削減されるCO2排出量は、約6500トンにも及ぶ。
3. 電気自動車急速充電ステーション(自動車、バイク)
国内商業施設として初めて、電気自動車(バイク)用の急速充電ステーションを設置。買物の合い間30分程度で充電が可能。
4. 廃油を集める「レイクタウン油田プロジェクト」
センター内から出る廃油をバイオディーゼル燃料、飼料、工業用原料、塗料、石けんとして再利用する「廃油リサイクル運動」を実施。毎週火曜日には地域住民や来場者からも家庭廃油を収集。廃油のリサイクル運動を推進している。
5. 植樹活動「イオンふるさとの森づくり」
2008年9月7日に地域住民5000人を集い、越谷地域に自生する樹木(ヤマブキ、ケヤキ、クチナシなど20種類)の苗木5万本を植樹。2018年頃には施設周囲は森になる予定とのこと。

 東京都港区の新橋駅前にある「ニュー新橋ビル」と、埼玉県越谷市の越谷レイクタウン駅に直結する「イオンレイクタウン」を視察した。

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著者プロフィール

菊地 眞弓(きくち・まゆみ)

菊地 眞弓フリーライター。東京生まれ。自動車メーカー勤務後、出版社などを経て、1998年に独立。現在、執筆のほか、ウェブなどのメディア制作会社も経営している
写真:©Precious(プレシャス)©永田忠彦

WITH三波 毒夫(うぃず・みなみ・どくお)

流通業界で15年以上の経験を持つ。現在も現役バイヤーとして某小売に勤務しているため、ここはペンネームでご容赦ください



このコラムについて

「買わない」私が、気になる売り場

消費者の心理や動向の変化を、店舗がどう解釈して購買意欲を沸き立たせようとしているのか。アラフォー女子と現役バイヤーが、話題の店舗で売り場をチェック。普通に買い物するだけでは見逃しがちな点を深堀りして、ビジネスの考え方やトレンドの作り方などを読み解いていく。

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