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episode:44
「プロフェッショナルとは、ある一瞬を見て、見たものの過去や未来が分かる人なのだ」

  • 阿川 大樹

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2010年2月16日(火)

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前回までのあらすじ

老舗、大日本鉄鋼の3人だけの部署、第三企画室は新会社、オルタナティブ・ゼロとして独立した。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)は社長、風間麻美(かざまあさみ)は第三企画室室長、楠原弘毅(くすはらこうき)は次長だ。風間に続けとばかりに始動した楠原は、花小金井のギター工房に出かけた。

「申しわけありません」と謝る言葉が続いた後、話し声はくぐもって聞き取れなくなった。

 長い電話が終わっても、しばらく山城さんは出てこなかった。

 電話の内容が気になった。

画像のクリックで拡大表示

「お待たせしました」

 ずいぶんと時間がたって、やっと「作業室」と札のかかった扉が開いた。

 視線が落ち着かない。知られたくない電話の会話を聞かれてしまったと思っているのかもしれない。

「調べさせていただきました。最低限必要なのはネックの調整とフレットの打ち直しです」

 ネックもフレットも見たとおりなので、納得できる。

「最低限……ということは、他にも手を入れた方がいいってことですか」

「全体の音程をきちんと出すには、ブリッジに付いているサドルを交換して調整し直した方がいいです。そうでなくても、もしかしたらネックとフレットのセッティングをし直すと、弦の高さが低くなりすぎになるかもしれません。もしかしたら、ご自分で削られたことがありますか」

 図星だ。

「ええ、弦を替えるときにちょっと……。弦高を下げたかったので」

「ネックが反って弦が高くなってしまっているときには、ネックの反りを直さなくてはいけないのですが、それをしないでブリッジのところでサドルを削って下げてしまうと、今度はネックが真っ直ぐに起きたときに、削り過ぎの状態になってしまうんです」

 心当たりがある。弦が高いのだから下げるには削ればいいとしか考えていなかった。

 本質に目をやらずに、場当たり的な対応をしてしまった。

 そう思ってから、なんだか経済コラムみたいな言葉の選び方だと気づいた。ビジネスが面白くなってきているのは100パーセント事実だけれど、自分が少し歪(いびつ)になってしまったような気もする。

「つまり、山城さんの意見としてはサドルは交換すべきだと」

「結果的に必要なければやる必要はありませんが、おそらく」

 良心的な言い方だと思った。

「あとはナットも交換して溝を切り直します。これも使い込んであると溝が磨り減って最適な形ではなくなっていますので。音の濁りやチューニングしやすさに影響があるはずです」

「他には?」

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