• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「経験と勘と度胸」では限界の調達購買

まずは材料費を本体価格と物流費に分解してみよう

  • 大矢 昌浩

バックナンバー

2010年2月16日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 海外の物流管理のテキストは、およそ内容の半分が「インバウンド・ロジスティクス」に割かれている。その意味は会社に入ってくるモノの管理、調達物流だ。

 ところが日本ではこれまで、調達物流がほとんど問題にされてこなかった。企業内に調達物流を管理する組織もなかった。

 通常、メーカーの物流部門の管理対象は、会社から出ていくモノの管理、販売物流だけで、調達物流は購買部や資材部の縄張りになっている。

 しかし、そうした調達購買部門は価格交渉や発注・検収の処理に追われていて、物流はサプライヤー任せというのが多くの会社の実情だ。

 日本の商慣習では納品にかかる物流費が商品代に含まれているため、発注量と単価さえ決まってしまえば、後はサプライヤーに納期を順守させるだけでいい。

 ロジスティクスや物流の管理スキルが調達購買部門にあるわけでもないので、ほかに口出しのしようもなかった。

物流費を外化(そとか)する

 もう10年も前の話になるが、そこにメスを入れたのが日産自動車のリストラを任されたカルロス・ゴーン氏だった。

 ゴーン氏の「日産リバイバルプラン」でまず取り組まれたのが物流費の“外化(そとか)”だ。部品代に内訳の分からないまま含まれていた本体価格と輸送費を分離した。

 そして部品の取引条件を軒先渡しからサプライヤーの出荷工場渡しに変更し、輸送費を含めたトータルコストが最も安くなるように物流のフローを見直した。

 具体的には3つのメニューを用意した。物量の多いサプライヤーからは、日産の組立工場に直送する。これは従来と変わらない。

 少ない部品は共同化だ。日産の工場の傍に複数のサプライヤーの部品在庫を共同で保管する倉庫を設置して、そこで仕分けて生産の進捗に合わせて共同便で納品する。

 一方、各サプライヤーから共同倉庫への納品はジャスト・イン・タイム(JIT)ではなく、トラックに満載になる単位にまとめることで輸送効率を上げた。

 この方式では共同倉庫に保管する部品の在庫量を、各サプライヤー(ベンダー)が管理することになるため、「VMI(ベンダー・マネージド・インベントリー:ベンダー主導型在庫管理)」と呼ばれる。

 3つ目が「ミルクラン方式」だ。牛乳メーカーが酪農家を回って生乳を集めるのと同様に、日産側で仕立てたトラックがサプライヤーの工場を巡回して必要な部品を集荷する。

 こうして日産主導で調達物流を再編成すると同時に、輸送や庫内オペレーションを任せてきた物流子会社のバンテックと旧・日産陸送(現・ゼロ)を、MBO(マネジメント・バイ・アウト=経営陣による企業買収)の手法で売却した。

 物流子会社との資本関係を断ち切って、協力物流会社との取引を完全な競争入札に変えることで、支払い運賃水準の大幅な引き下げを狙った。

「すべては倉庫番が知っている」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員