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キリン・サントリーの破談を温かく見守ってしまう不幸

【極論】佐治社長の“イイトコ取り”を認めるスキームもあり

  • 細山 和由,黒澤 俊介

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2010年2月15日(月)

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 日本はどこまでダメなのか? コールド・ジャパン史上最悪の事件が発生。暴論かもしれませんが、マクロ的な観点で見れば「特例措置」も必要だったのでは?

 なにげなくTwitterを見ていたら、「キリン・サントリー 統合断念」とのニュースが流れたのは、日曜日(7日)の夕方のことでした。昨年7月に「統合を検討」というニュースが出たわけですから、約6カ月以上もの間、両社は検討を続け、そして最終的には統合を諦めたことになります。

 たぶん報道される以前も水面下での交渉はあったでしょうから、相当に長期間の交渉をしていたはずです。それが1年か2年か、筆者には分かりません。

 縮小する国内市場に対応し、磐石な国内基盤をベースにして業界の1位と2位が手を組み海外に打って出る、という戦略はキリン・サントリーという強者連合だからこそ可能だったわけです。

 これについて筆者たちは、「キリン・サントリーは“カラータイマー付き”合体ロボ。必殺技が『リストラ』では困る」(2009年11月24日)で警鐘を鳴らし、「足し算」ではなく「掛け算」の合体ロボを推薦してきました。

 しかし、6カ月を費やして、なんと「足し算」の話さえまとまらなくなったということになります。各社個別で見ると、世界のトップクラスの食品飲料メーカーとの埋め難い格差が重くのしかかってくる。それを知っての決断としては、あまりにもお粗末な結果です。

 記者会見や両社のプレスリリースによれば、それぞれ単独で世界戦略を考えていくことということにはなっていますが、ひょっとしたら両社とも既に意中の花嫁候補がいるのかもしれません。花嫁は国内にいるのか、海外にいるのか。それは筆者には与り知らぬことではあります……とはいえ、この「事件」はコールド・ジャパンを考える上で強烈な意味をもっています。いや、最悪のターニングポイントとなるのではないかという予感さえあります。

もう一度整理すると……

 すでに何度も報道されていることですが、もう一度、キリンとサントリーは何故統合を諦めてしまったのか、その事実をまず整理しておきましょう。加藤壹康キリン社長、佐治信忠サントリー社長はともに記者会見を開いていますが、基本的には両社の間で「統合比率」についての考え方の溝が埋まらなかったということに尽きるようです。

 この統合比率に関することをめぐる諸々の事情については、多数の取材により明らかにされています。意思決定の透明性、株主への説明責任等を無視するわけにはいかないキリン。創業家のシェアを確保したいサントリー。統合比率は両社のプライドも問題だけではなく、最終的には「公開企業」と「未公開企業」の埋め難い溝だったと言うオチがついたわけで、大山鳴動して鼠一匹動かず、という感すらあります。

 キリンが統合比率を「キリン1:サントリー0.7」と主張したのに対し、サントリーは「キリン1:サントリー0.9」と主張したようです。この「0.2」の差が何を意味するかは、創業家が3分の1以上のシェアを持つのか持たないのかというところに集約されます。

 ご存知の通り、3分の1以上のシェアを持つと、株主総会で特別決議が必要な決議事項に対する拒否権が発生します。統合後、公開企業となったとしても、サントリーの創業家が大きな発言力を持つ体制になってしまう。これは統合後の経営上、非常に大事な問題だと言えるでしょう。

 「『大同』をとって『小異』を捨てる」と述べていた両社ですが、「0.2」という差は「小異」として切り捨てられない大きな経営上の乖離だったということです。

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