• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

映画「アバター」は“資源の呪い”を描く

生物多様性と資源開発は共存するのか?

  • 谷口 正次

バックナンバー

2010年2月18日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ジェームズ・キャメロン監督・脚本の映画「アバター」を観た。同監督作品の「タイタニック」は、1912年に豪華客船タイタニック号が氷山に衝突して沈没したという歴史的事実に基づくフィクションだった。

 これに対して、「アバター」は、今でも現実に世界の発展途上国で起きている事実に基づく“フィクション”だと言える。

 その事実とは、強大な資金力と技術力を持った多国籍資源メジャーあるいはジュニアとよばれる探鉱会社そして新興国の鉱山会社が、資源豊富な途上国において、豊かな自然と共生して暮らしている先住民を強制的に移住させ、自然を破壊して資源採掘を行っているケースが多々あることである。

まずは懐柔、そして排除

 会社は最初、先住民の移住を求めて補償金、雇用、学校建設などを提供する懐柔策に出るが、先祖代々受け継いできた文化と伝統そして環境を破壊されたくないといって抵抗する先住民に対しては、会社のセキュリティ部門、傭兵会社(PMC=Public Military Company)、地域の警察が連携して排除に当たる。場合によっては、その国の軍隊も加わる。そのような現場は、通常人々の目に触れることはない世界だ。

 映画を観た人は、「アバター」のストーリーが、この地球上の現実世界で起きていることと酷似していることに気づかれただろうか。

 観ていない人のために一応、あらすじを簡単に紹介しておこう。

 時は22世紀、アメリカの資源開発公社RDA(Resources Development Administration)は、地球の熱帯雨林のスケールをさらに大きくしたような原生林に覆われた宇宙衛星パンドラに、超伝導物質のレアメタル、アンオブタニウムの鉱床を発見する。そのレアメタルの価値は1キログラムで約20億円だ(ちなみに金は現在1キログラムで約300万円)。しかし、その鉱床は、ナヴィとよばれる先住民が、ジャングルの中で狩猟採集の生活をしている地域の地下に眠っている。

 先住民といっても、緑色をした人間の体型そっくりの身体にしっぽがある。身長は約3メートル、今の地球人から見れば未開人ということになるだろうが、野蛮ではない。そして野生ではあるが、知性もある。聖なる山に棲む母神エイワを崇拝するアニミズム信仰の“ヒト”たちである。聖なる山には魂ノ樹と呼ばれる想像を絶する巨木が生えている。

 RDAは、鉱石採掘に先立って、ナヴィを移住させ、聖なる山を破壊し、魂ノ樹を切り倒さなければならない。RDAは地球上の場合と同じように、まず懐柔策に出る。学校を作り英語を教え、スカイ・ピープル(地球人)の文明を植えつけようとする。しかし、ナヴィは決してなびかない。業を煮やしたRDAは元海兵隊大佐をリーダーとするPMCの部隊を送り込み、パンドラ制圧を目指す。

 侵攻に先立ち、スパイとして元海兵隊員ジェイクを送り込む。ただし、地球人はパンドラでは大気を呼吸できないため、ナヴィと人間の遺伝子を組み合わせてナヴィと同じ肉体を持った、ジェイクの思い通りに行動する化身すなわちアバターを作り出した。

 アバターは、レアメタルが埋蔵されているナヴィの一部族オマティカヤの村に、情報収集のために送り込まれたわけだが、部族長の娘であり戦士のネイティリと恋に落ちる。そして、いつしか、森の中であらゆる生物とともに共生・進化してきたナヴィの多神教の世界に魅せられてしまい、ナヴィとともに侵略者と闘う決心をする。

コメント3

「資源ウォーズの世界地図」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師