「今、お店に並んでいるから、すぐにクーポン送って!」
私(吉田文儀)が社長を務めるクロス・コンセプト(大阪市)が運営するケータイサイトのコールセンターには、時折こんな要望が寄せられます。
お得なクーポンを添付して配信している、とある飲食店のメールマガジン。配信の時間は決まっていますが、「今、自分が必要としているこの瞬間に送ってほしい」というのが、このユーザーの主張です。
いかにもケータイだから、と思いませんか? 固定電話であれば外出先からこんな問い合わせはそもそもできませんし、モバイルパソコンを使うユーザーであれば無線やデータ通信でインターネットに接続してクーポンを手に入れるでしょうから。
便利さ故に、忍耐を失う?
「メルマガのせいで授業中にメール着信音が鳴って困る」
「こんなに早い時間にメール送信しないでください。子供のことで緊急のメールかと思い、運転中に事故を起こしそうになりました。10時過ぎに送信してください。それより前は、禁止」
こちらの方々は、メルマガ配信の時間を自分の都合のいい時間に設定してほしい、という要望です。授業中や運転中はマナーモードにして、メールを見るのは控えたほうが・・・と思ってしまいますが、どうしても気になってしまうのでしょう。かといって、クーポンなどの情報が欲しいので、解約する気にはなれないようです。
自分の必要な時に、必要な情報を流してほしい――。営業時間外の問い合わせにも関わらず、「至急」「今すぐ」「即刻」の対応を要求する方も増えています。
インターネットが普及して分からないことは何でもすぐに調べられ、ケータイやメールによってすぐに連絡が取れる時代。この便利さが消費者を短気にし、忍耐強さを忘れさせてしまったのかもしれません。ケータイの普及が持つ功罪が垣間見えますね。
前回、ケータイユーザーをリテラシーで4タイプに分類しましたが、このような傾向は、ケータイを使い慣れた「ヘビーユーザー」「一般ユーザー」に多いようです。
しかし、こうしたユーザーに対応することで、ビジネスチャンスが生まれることも事実です。冒頭の事例では、クレームの内容からメルマガ配信の適切なタイミングを読み取とって、配信する時間をずらすことで、より効果的に顧客の来店頻度を高めることができるようになりました。
ケータイユーザーに対する象徴的なキーワードは、「今」です。「今、あったこと」「今、見たいこと」「今、知ったこと」「今、知りたいこと」「今、感じたこと」「今、聞きたいこと」・・・リアルタイムにコンタクトしてくる傾向にあります。
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