• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

第5回 SAMURAIが「全員でランチ」禁止のわけ

2010年2月23日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

今回のタイトルは、はっきり言って「釣り」です。「そんなの当たり前だよね」と思っている方が、たくさんいることを祈りつつ、インタビューの場でそれを言われた自分がギョッとした記憶が、この題名を選ばせました。実際、当たり前なのですが、「仲間」「家族」「一味」気分が大好きな私(オトコです)には、ここが盲点になってしまう。さて、あなたはいかがでしたか? 答えは記事中に。(編集Y)

清野 前回、SAMURAIのビジネスのキャッチフレーズとして、「ジャッジもできます、デザインもできます」という2つのキーワードが出たのですが、その具体的な例としては、どんな仕事がありますか。

佐藤 たとえば第2回でお話した「グローブライド」(旧社名・ダイワ精工)もそうですし、ユニクロでいえば、ジル・サンダーさんとコラボレートした「+J」がまさしくそうです。ジル・サンダーさんは世界のファッション界の超一流として君臨している方なので、独自のクリエイティブ・フィロソフィーをお持ちなんです。

清野 創造に関する哲学ですね。

(写真:樋口 とし)

佐藤 そのような方とコラボレートする時、ブランドのネーミング、ロゴはもちろん、それが服に付くタグやネーム、または売り場でどう展開されるのか、イメージビジュアルをどうコミュニケーションしていくのか、ということは、ひとつひとつがすべて重要でデリケートなことになります。

 ビジネス上の契約書を交わしたこととは、また別次元で、丁寧に信頼関係を構築していかなければなりません。ロゴにしても、ジルさんは常に、「もっとグッドなプロポーションがあるはずだ」と本当に細かいバランスまですべてに対して妥協がありません。そんな時は、同じくクリエイティブマインドを持った人でなければ対応し切れないニュアンスもあるわけですが、その点で、佐藤なら理解できる、という側面は多いにあります。

清野 優れたファッションデザイナーであればあるほど、きっと、ものすごくディテイルに分け入ってくるでしょうね。

佐藤 クオリティーはディテイルの集積ですから。これはロゴ単独で見るとこうだけど、タグで見るとこうなる。そのタグや織ネーム(衣類に縫いつけられている、ブランド名などがはいったタグ)もこの大きさならこう見えるけれども、ちょっと小さいとまた見え方が変わってくるとか、というような会話で、普通の人からすると、一見同じに感じられるような細かい違いの話もあります。そのデザインをコンマ何ミリの違いで、何十案も作って持っていって、2人でひざを突き合わせ、納得するまで話を詰めていきました。

清野 うーん。

SAMURAIは、一代限りの「プロジェクト」

佐藤 それは佐藤自身がクリエイターだからこそできることだと思います。というのは、クライアント・サイドのクリエイティブディレクターとして、ユニクロの目指す方向性や、このプロジェクトの意味を正確に理解していると同時に、ジル・サンダーさんが大切にしていることや譲れないとお考えの点も分かりますから。そこから、両者にとって満足がいくビジネスの着地点を探っていく、という作業は、心が通じ合うクリエイター同士という関係がベースにあるので、可能になるのだと思います。

清野 「+J」のロゴをデザインした後は、どこまで関与するのですか。

佐藤 ロゴマークやタグなど、そのブランドのイメージづくりに大きく関わるもので、かつ半永遠に使われるものは、SAMURAIでデザインします。でも店頭で使用するキャンペーンのPOPなどは、汎用フォーマットを作って、後に佐藤が抜けても回していけるようなシステムをデザインすることも多いです。

 それは、ほとんどのクライアントの場合、細かいものを入れると膨大な制作物があり、その全てをSAMURAIに発注するのは時間的にも予算的にも難しいからです。ちょっとしたことはクライアント内で手配でき、かつクオリティは落ちない仕組みをつくることが大切だと思っています。

清野 つまり佐藤可士和さんは、システム全体をデザインしている、ということなんですね。

佐藤 そうです。大規模なCI(コーポレートアイデンティティ)やブランディングプロジェクトの場合はシステムのディレクションをすることも、佐藤のアートディレクションの真髄なのではないかと思います。

清野 現在、SAMURAIのスタッフは何人おられますか。

佐藤 クリエイターが6名、マネジメントチームが3名とインターンの学生が2名です。

清野 それで同時に30件のプロジェクトを回しておられるとうかがいました。これだけブレイクしても、規模を拡大しない、という路線は変えないのですか。

佐藤 その辺はぶれずにいこうと考えています。SAMURAIは会社ではなくて、プロジェクトだと思っていますので。

清野 プロジェクト?

コメント6件コメント/レビュー

正直いろいろ、完璧すぎて、このままじゃ、全然参考にならないですが、プロデュースとはなんぞやの神髄はちょっとだけ理解できました。筋のとおった行動美学が大事なんですね。(2010/02/26)

「「オトコらしくない」から、うまくいく」のバックナンバー

一覧

「第5回 SAMURAIが「全員でランチ」禁止のわけ」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

正直いろいろ、完璧すぎて、このままじゃ、全然参考にならないですが、プロデュースとはなんぞやの神髄はちょっとだけ理解できました。筋のとおった行動美学が大事なんですね。(2010/02/26)

重箱の隅かもしれませんが、ランチタイムをずらして電話対応をできるようにしておく、というのは今はほとんどの企業が対応していることではないでしょうか(わが社もそうです)。業界によりけりということもあるのかもしれませんが、ランチタイムに電話が休み、という企業はあまり聞かないように思います。そしてまた、そのローテーションで割を食うのが派遣やバイトといった企業労働における周辺に位置づけられている人たちだったりするんですが(これはたぶんわが社だけではないと思います)。(2010/02/24)

毎週こちらの記事を心待ちにしています。一見華やかな世界で活躍されているように見える佐藤ご夫妻の舞台裏は、情熱と誠実さと丁寧さで支えられているのだなあと思いました。ちょうど今自分もパートナーとビジネスを立ち上げようとしているので、読みながら納得したり、また「素晴らしいなあ」と感嘆したり・・。これからも期待しています!(2010/02/23)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授