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episode:45
「お手本がうまくいったら、そこですかさずマネをすればいいんだ。」

  • 阿川 大樹

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2010年2月23日(火)

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前回までのあらすじ

老舗 大日本鉄鋼の3人だけの部署、第三企画室は新会社オルタナティブ・ゼロとして独立した。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)は社長、風間麻美(かざまあさみ)は第三企画室室長、楠原弘毅(くすはらこうき)は次長だ。風間に続けとばかりに始動した楠原は、ギター工房に自分のギターを預けた。

 コーキ君は目を輝かせて、山城というギターの職人さんとのやりとりを話し終えた。

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「ギター、直ってくるの、楽しみだね」

「ええ。まあ、でも、ギターがもどって来ても弾く暇のほうがあんまりないんですけどね。安普請のワンルームマンションでは、夜中に弾くってわけにもいかないですし」

「弾く暇ないのに、ギター、2台もってるんだ」

「実家の方にもうひとつあります。3台って少ない方ですよ」

「そういうものなの?」

「それぞれ違うんです」

「エレキギターとアコースティックギターが違うことくらいはわたしにもわかるけど」

「アマチュアでも、5~6本もっている人はざらです」

 ふと考えが横道に逸れる。

 カメラマンとつきあっていたときに、彼がやたらとカメラだのレンズだのをたくさんもっていたのを思い出した。あれも〈それぞれちがう〉ものだったのだろうか。重い機材をショルダーバッグにいれて、いつもカメラを片手に前屈みで歩いていたあいつは、いまどうしているだろう。

「手がいくつあっても足らないよね」

「千手観音みたいに手がたくさんあれば、一人でバンドができて楽しいでしょうけど」

 真面目な顔で冗談を言ってから、反応を伺うように小さく笑うコーキ君は、息子にしたいぐらいかわいい。て、息子だったらわたしは小学1年生で産んだことになる。いくらなんでもそれは無理だ。

「仲間集めてバンドやればいいのに」

「いつやるんですか。休日出勤ばっかりしているのに。たまの休みは洗濯に明け暮れるだけだし」

 うんうん、そのとおり。心の中で同意する。

「洗濯機あるの?」

「いえ、コインランドリーに行きます」

「うん。生きるってことはそういうことなんだよ」

 わけのわからない返答をしながら、風間麻美的新入社員時代を思い返した。

 会社員になって自分で給料を稼ぐことは、何にも代えがたい喜びだった。けれど、お金も時間も、生活はいつもぎりぎりだった。

コメント3

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