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思わずシンク下収納グッズを買ってしまった私

逆風のカタログ通販に打つ手はあるのか?

  • 藤野 香織,榊 理恵,中津川 あや

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2010年2月26日(金)

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 通販企業に勤める女性3人組、榊理恵と藤野香織と中津川あや。いつものように、ダイニングカフェで通販談議に華を咲かせているかと思いきや――。

 「なんか今日は静かだね」。マスターが声をかける。「理恵と香織に元気がなくて」と、あやは少し不満げな顔を見せる。「あやは最初からネット通販企業で働いているから、私たちの気持ちが分からないのよ」と理恵が怒るでもなく、ため息をつく。「ネット通販は拡大基調にあるけど、カタログ通販は苦戦しているのよ。私もバイヤーとしてカタログ製作に関わる立場だから、今後どうしていけばいいか、頭を抱えていて」と香織が漏らす。

 「仕方ないじゃない。ネットで探せば大抵のものは見つかるし、即座に購入できるんだから。カタログより圧倒的に便利なのだから、みんな、ネットで買い物するわよ」。あやはこう言って、さらに続けた。「ちゃんと現実を見ましょうよ」。

 消費者を対象とする総合通販の2強、千趣会とニッセンホールディングスが、2009年12月期決算を発表しました。千趣会は売上高が1473億円で前年比6.9%減、営業損失は24億円と赤字に転落しています。一方、ニッセンは売上高が1415億円で前年比9%減、営業利益は18億円と黒字ではありますが前年比を見ると42%減となっています。

伸びるネット、落ち込むカタログ

 カタログに関して売上高を2008年と2009年で比較すると、千趣会の「カタログ事業」は1319億円から1196億円へ、ニッセンの「カタログ売上」は748億円から644億円へと落ち込んでいます。カタログ通販が厳しい状況にあるのは明らかです。

主な総合通販企業の業績
  売上高/前年同期比 営業利益/前年同期比
(億円) (%) (億円) (%)
千趣会 1472.9 ▲6.9 ▲24.1
ニッセンホールディングス 1414.7 ▲9.0 17.7 ▲42.0
ベルーナ 754.1 ▲12.1 42.2 ▲30.0
セシール 599.0 ▲6.4 0.3
スクロール 425.0 ▲6.2 20.8 ▲17.9
フェリシモ 354.5 ▲11.1 9.0 ▲58.9

注:決算資料を基に千趣会、ニッセン、セシールは2009年1~12月、ベルーナ、スクロール、フェリシモは2009年1~9月で前年同期比を算出した

 この2強に限らず、各社とも現況の業績は芳しくありません。例えばセシールは、業績の下方修正を発表した後に、管理職を対象にした希望退職者の募集開始を明らかにしました。

 売上高が伸び悩んでいるのは、1人の顧客が1回に購入する商品単価が下がったためです。この影響でカタログの製作や商品の配送などのコスト負担率が高まり、収益の悪化を招いています。これを食い止めようと、各社、カタログ通販においてはコスト削減策に余念がないというのが今の通販業界です。

 カタログに対して、ネットは堅調です。2008年と2009年の売上高では、千趣会は374億円から411億円へ、ニッセンは578億円から610億円へ、両社とも増えています。

 やはり、もうカタログ通販の時代は終わりなのでしょうか。

 ここで、別の視点による興味深い調査結果を紹介しましょう。日本通信販売協会の「インターネット通信販売利用実態調査報告書2009年」に掲載されている「見ているだけで楽しいと感じる通信販売の種類」です。

見ているだけで楽しいと感じる通信販売の種類
(単位:%) パソコンの
ネット通販
携帯電話の
ネット通販
カタログ通販 テレビ通販 該当なし
全体 57.7 2.4 37.1 19.9 18.2
男性計 55.4 2.2 20.9 22.2 25.7
女性計 60.0 2.6 53.3 17.6 10.7
男性20代 63.7 3.0 14.8 19.3 23.0
男性30代 58.5 4.4 20.7 23.0 25.2
男性40代 54.8 0.7 23.7 20.0 28.9
男性50代 44.4 0.7 24.4 26.7 25.9
女性20代 66.7 5.9 55.6 23.0 8.9
女性30代 62.2 3.7 54.1 13.3 9.6
女性40代 59.3 0.0 56.3 15.6 10.4
女性50代 51.9 0.7 47.4 18.5 14.1

出典:日本通信販売協会「インターネット通信販売利用実態調査報告書2009年」

 ご覧いただければお分かりになるように、男性は圧倒的に「パソコンのネット通販」を支持していますが、女性は「パソコンのネット通販」とほぼ同じぐらいの割合で「カタログ通販」にも関心を示しているのです。このデータを見る限り、消費意欲が旺盛と見られている20~50代女性の半数以上は、“カタログ離れ”をしたわけでなく、それどころかカタログを見る行為を楽しいと肯定的にとらえていると言えそうです。

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