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「働きがいのある会社」1位に輝いたワークスの経営

“興奮のフィールド”を与え続ける~牧野正幸CEO

2010年3月1日(月)

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 「働きがい」とは湖面に映る浮雲のようなもの。光の加減や見る位置によって、見え方や感じ方はガラリと変わる。1つの波紋でその姿を変えるように、業績の悪化や対人関係、社内の制度変更などをきっかけにたやすく失われてしまう。そんな脆く、壊れやすい働きがい。だが、従業員がひとたび感じ始めれば、その能力の総和によって会社の熱量は最大限に高まっていく。

 3月1日号の「日経ビジネス」では、人材活用の研究と称して「働きがいのある会社」という企画を掲載している。従業員が働きがいを感じる会社とはどのような会社なのか。現実に、どの会社が働きがいのある会社なのか――。それを検証するためだ。

従業員の声が最大限に反映された調査

 実際の調査を手がけたのは「Great Place to Work® Institute Japan(GPTWジャパン)」である。参加を表明した81社に調査を実施、そのうち25社が「働きがいがある会社」という評価を受けた(25社の詳細は3月1日号日経ビジネスを参照、購読申し込みはこちら)(2011年版調査の参加申し込みは、contact@greatplacetowork.jpまで)。

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 米国のGPTW本部は米経済誌「フォーチュン」が毎年掲載する「働きがいのある会社ベスト100」にデータを提供している。この調査は世界40カ国以上で実施されており、リストに選ばれることは一流企業の証しとされている。今回の調査はGPTW本部と同じ手法を取った。

 「従業員が会社や経営者、管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている人たちと連帯感を持てる会社」。GPTW本部は「働きがいのある会社」をこう定義づけている。そして、この定義を実現する要素として、「信用」「尊敬」「公正」「誇り」「連帯感」の5つの要素に分類している。従業員と経営者の信頼関係、フェアな企業体質、仕事への誇り、同僚や上司との関係。「働きがい」に影響を与える要素と言われれば、どれももっともだろう。

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 この調査の最大の特徴は従業員の声が強く反映されている点だ。社内制度や企業文化などに関する企業への質問と従業員に対するアンケート。この2つをGPTWジャパンの評価委員会が精読し、5つの要素ごとに点数をつける。

 合計点に占める従業員アンケートの割合は3分の2。回答する従業員もGPTWジャパンが指定した方法で無作為に選ばれる。企業の説明が従業員コメントと明らかに乖離している場合などは減点対象だ。「外野の評価よりも中で働く従業員がどう感じているか」。それが最大限に反映された調査と言えるだろう(詳しい調査概要はこちら)。

1位に輝いたワークスの経営とは

 今回、「日経ビジネス」で発表した2010年版の「働きがいのある会社」。1位に輝いたのはワークスアプリケーションズだった。人事管理や給与計算、会計、販売管理、営業支援などERP(統合基幹業務システム)パッケージソフトの開発を手がけるソフトウエア企業だ。同社は「信用」「誇り」「公正」「連帯感」の4つの要素で高い評価を得た。

 ワークスは企業理念に照らして求める人材を明確に定義づけ、それに合う人材を採用し、獲得した人材が自己成長できるような難易度の高いフィールドを与え続けてきた。自らの成長を望む人材に舞台を与える――。だからこそ、従業員の多くが働きがいを感じているのだろう。「働きがい」に関する考え方、求める人材像、人材育成などについて、牧野正幸CEOに聞いた。


(日経ビジネス オンライン、篠原匡)

 ―― 「ワークスには働きがいがある」と感じている従業員が多いようです。なぜ従業員が「働きがいがある」と感じているのか。また、どのような方針で人材を採用し、育成しているのか。今日はこのあたりのお話をお聞かせいただけないでしょうか。

 牧野 分かりました。ただ、その前にワークスの企業理念をお話しした方がいいでしょう。私たちは1996年の創業の時に、この会社の理念を2つ定めました。その1つは「日本企業の情報投資効率を世界レベルへ」というものです。これは日本発のERPパッケージを作り、日本の大企業の情報投資効率を上げるという目標でした。

「日本のクリティカルワーカーに活躍の場を」

牧野 正幸(まきの・まさゆき)氏
ワークスアプリケーションズ代表取締役・最高経営責任者(CEO)。1963年兵庫県生まれ。大手建設会社、ソフトウエア会社取締役を経て、1994年にシステム・コンサルタントとして独立。金融機関のシステム開発や外資系ERPパッケージのローカライゼーションなど、各業界向けパッケージ開発のコンサルティングを行う。1996年にワークスを設立した
(写真:村田 和聡、以下同)
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 牧野 オーダーメイドのERPが主流だった時代には、多くの企業はシステム開発に多額のカネを投資していました。でも、顧客の仕様に合わせる「カスタマイズ」が必要ないパッケージソフトを提供すれば、企業のROI(投下資本利益率)は高まる。そのことを企業理念に掲げたわけですね。

 実は、この理念とまったく同じ重みを持って掲げた理念がもう1つあるんですよ。それが、「日本のクリティカルワーカーに活躍の場を」。クリティカルワーカーが成長し、活躍する場を作ろうということを創業時に強く思ったんですね。

 ―― クリティカルワーカーとはどういう概念なのでしょう。

 牧野 極めて単純に言うと、問題解決ができる人のこと。組織や方法論ではなく、自分で考えて問題解決ができる人材、組織の力がなくても自分だけで問題を解決できる人材を私たちはクリティカルワーカーと定義づけています。

 ―― なぜ「日本のクリティカルワーカーに活躍の場を」という理念を掲げたのでしょうか。

 牧野 例えば、米アップルコンピュータの創業当時、全米中の最も優秀なやつらが履歴書を持って会社の前に集まったと。守衛の仕事は朝、門を開けた後に履歴書を預かって、「今日は100人しか面接できません」と言ってお帰り願うのが仕事だった、という話が伝わっています。この話は半分神話だと思いますが、米国ではシリコンバレーを中心に、本当に優秀な人間が集まる企業があるんですね。

 その理由も、成長する企業に入ってリッチになりたいというのではなく、その会社に行けば、むちゃくちゃ優秀なやつが集まっているに違いない。しかも、むちゃくちゃ難しい仕事もある。となれば、自分も成長できるに違いない――。そういう想いを持って、シリコンバレーに集まっている。実は、シリコンバレー型の会社の強みはこの手の優秀な頭脳が集まっているところにあるんですよ。

 ―― 日本ではそういう場は思いつきませんね。

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「「働きがいのある会社」1位に輝いたワークスの経営」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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