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episode:46
「ふつう、会社って、どうやって新しい事業を始めるんですかね」

  • 阿川 大樹

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2010年3月2日(火)

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前回までのあらすじ

老舗 大日本鉄鋼の3人だけの部署、第三企画室は新会社オルタナティブ・ゼロとして独立した。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)は社長、風間麻美(かざまあさみ)は第三企画室室長、楠原弘毅(くすはらこうき)は次長だ。ギター工房に目をつけた楠原だが、旭山の評価は厳しかった。

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「何、しょげてんのよ」

「しょげてなんかいません」

 みなとみらいの北のはずれに近い高島中央公園に弘毅君がいた。

 みなとみらいという場所は、観光地として人気のある横浜の中でも、中華街や山下公園と並んで訪れる人が多いところだ。けれど賑やかなのはランドマークタワーやクィーンズスクエアから南側のエリアに限られる。

 北側はオフィスビルと住宅用の高層ビル群、それにまだ売れ残っているらしい空き地で占められ、一等地でありながら、昼も夜もひっそりとしている。

「ほら、バルコニーは旭山さんの場所ですから」

 弘毅君がいう。旭山さんは、喫煙場所であるバルコニーに出て、よく長い時間、考え事をしている。弘毅君が考え事をするのは、この公園だったというわけか。

 午後の早い時間、昼休みの会社員はオフィスに戻り、子供を遊ばせるために公園にやってくるママたちと入れ替わる、そのほんの少し前の時刻だ。このあたりは高いビルが林立しているために、公園は次々にビルの影に入っては出る。ブランコや砂場に日が当たるまでにはあと1時間ほどかかるのだ。

 午後のスイーツを買いにコンビニまで出た帰り、ふと、遠回りをしてみようと公園へ出て、弘毅君の姿を見つけた。

「平日のこんな時間に公園のベンチに座っていると、なんだか失業者みたいですね」

 脇から近づいてそっと隣に座ると、彼は少しだけ驚いてからそういった。

 公園の外周にベビーカーを押している夫婦がいた。早春の公園を散歩する親子連れの姿だけれど、会社員風の旦那さんを見て、もしかしたら失業中かもしれないと思った。

「会社員という地位がこれほど不確かに感じられる時代はない」

 そう旭山さんが言っていたことがある。

 ギターをもって職人さんに会いにいった弘毅君は、「何か」を感じてはいるのだ。けれど、そこからビジネスモデルまでの道が見つけられないでいる。

 いや、その前から、ずっと彼は悩んでいる。悩んだ挙げ句に彼の考えは、どうやら茅ヶ崎南製作所の津久井さんに相当する木工の職人さんという見方で、ガレージ村のビジネスの拡張を考え始めたらしいのだ。「らしい」というのは、彼自身、そこまでの話はひとこともしていなかったけれど、旭山さんがそれを見抜き、弘毅君がそれを否定しなかったから、多分、そのとおりなのだ。

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