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第6回 「常識知らず」の「どけち虫」で、いい仕事をしましょう

2010年3月2日(火)

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 自分が元々持っているはずの180度の視界、そこに他人の視界でもう180度、をプラス、できるか、できないか。できたほうがきっといいんじゃないか。「オトコらしくない」本連載は、別の視点を受け止められる姿勢をあえて「オトコらしくない」と表現しております。

 今回は「金銭の対価が発生するべき所」を、つい別のモノにさしかえたり、あるいは買い叩くことが、自らの腕前、信頼の証し、と思ったりしてませんか、というお話です。だって常に相手を買い叩いていたら、一生、質のいい仕事はできないのは当然で…あれ、もしかしてそのお仕事、クオリティはいらないんでしたっけ?(編集Y)

国際線内で夫婦喧嘩、勃発

清野 「佐藤可士和」が世に出たことは、決して偶然でもラッキーでもなく、マネジャーである佐藤悦子さんの戦略の賜だった、ということを、この連載ではずっとうかがっています。

佐藤 それ以前に、圧倒的なクリエイティブの実力がないと、そもそものスタート地点に立てないので、世に出たのは私の“戦略の賜”というのは違います。私も努力した、というのが正確なところかと思いますが、それを本人に分かってもらうのは本当に大変でした(笑)。

清野 出張の機内でお2人の間に口論が始まって、隣の外国人に「うるさい」と叱られたこともあるとか。

佐藤 ありました、そういうことも(笑)。

清野 どんなことが口論のネタになったんですか。

佐藤 SAMURAIのマネジャーになったのは、ここには私のやることがたくさんあると思ったからなのですが、そのひとつに、クリエイターの仕事にきちんと対価を付けていきたい、ということがあったんです。

清野 ということは、現実は対価が付いていなかった、ということでしょうか。

佐藤 私の正直な感想としては、そういう面が多々ありました。日本のビジネス風土にはそもそも、ハードに比べてソフトに対する報酬の概念が希薄な空気があるようにも感じますが、個人や小さい事務所のクリエイターは特に、その流れに押されてしまいがちなのでは・・・・・・という場面を何度か見たことがありましたので。

清野 たとえばそれはどういう場面で?

仕事ならば、対価は常に責任と共にある

佐藤 私が一番嫌いなパターンは、タダでもいいから、自分の作品を発表できたらうれしいでしょう、という仕事のあり方です。

清野 そういうの、あります。ギャラは安いんだけど、もしくは出ないんだけど、有名人に会えるよ、とか、面白い時間が持てるよ、とか。

(写真:樋口 とし)

佐藤 明らかに自分が個人的に興味があって、趣味につながる場合は、それもありかもしれません。そこはギブ&テイクですから。ただし、どこからがそうじゃなくなっていくか、という見極めは必要です。若い時はそれでいいかもしれませんが、ある程度のキャリアを持った後も、タダでもいいから自分の作品を発表できるのはうれしい、と発想するのは、結果的には自分の、ひいてはクリエイターのポジションを下げることにもつながりかねないので、慎重になるべきだと私は思っています。

清野 クリエイターがどうして、そう発想するかというと・・・・・・?

佐藤 クライアントワークはつまらない、もっと自由に自分の作品を発表したいというような思いが根底にある場合が多いのではないでしょうか。

清野 クライアントが出してくる制約の中で、表現と離れた仕事を、どうしてもやらざるを得ない、といった業界のルサンチマンですね。

佐藤 そんな状況の中で、自分の「作品」を作ることができて、しかもそれが作品集として発表されればうれしい、という考えが生まれてくるのだと思いますが、そこからが問題で・・・・・・。

清野 もう少し具体的にうかがえますか。

佐藤 たとえば、本を出すから作品を提供しませんか、というようなオファーがひとつの例ですね。

清野 それだけうかがえば、まあ歓迎したくなりそうなオファーですが。

佐藤 「本に作品を掲載したいので、作ってください」というアプローチですが、話を聞いてみると、そこにはデザイン料もなければ、印税もない、というものだったり。

清野 それはだめですね。ただ、残念ながら、とてもありがちな話です。

佐藤 問題は、あちら側には利があるのに、こちら側は無償である、という点です。それは仕事としてフェアではないし、ちょっとおかしいと思います。ということで、私は相手とそういうところを、できるだけ詰めるようにしてきたのですが、そのようなやり取りの時に、先方の担当者の方から「あなた、業界の常識を全然分かってないねえ」といった言い方をされたこともありました。

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「第6回 「常識知らず」の「どけち虫」で、いい仕事をしましょう」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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