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クリーンテックに流れ込むカネ
と「ジャパン・パッシング」

  • 瀧本 大輔,小瀧 麻理子

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2010年3月5日(金)

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 温暖化ガスを1990年比で25%削減する――。その目標を日本が達成できるのかどうかを論ずる前に、直視しなければならない現実がある。それは日本が環境分野で先進国どころか、欧米勢や中国勢の後塵を拝していることだ。

 実態を明らかにするため、日経ビジネスでは2010年3月1日号で「環境後進国ニッポン」と題した特集を企画した。日経ビジネスオンラインでは、今まさに環境分野で起きているパラダイムシフトの現場をリポートする。

 米国におけるクリーンテック(環境・エネルギー)分野での盛り上がりの一翼を担うのが、ファンドやベンチャーキャピタル(VC)といった投資家だ。この数年で、有力と見られているクリーンテック関連のベンチャーに、1億ドル規模を出資する事例も少なくない。

クリーンテック分野へ投資している主なファンドと投資先

代表的なファンドなど 出資先 分野 金額
グーグル(Google.org) イー・ソーラー 太陽熱発電 1億3000万ドル
ブライトソース・エナジー 太陽熱発電 1億1500万ドル
マカニ・パワー 風力発電 1500万ドル
インテル・キャピタル シー・パワーグリッドネットなど5社 電力制御
システム
1000万ドル
セコイア・キャピタル イー・メーター 電力制御
システム
3200万ドル
ファウンデーション・キャピタル シルバー・スプリング・ネットワークス スマート
メーター
1億ドル
エナーノック 電力制御
システム
775万ドル
クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB) シルバー・スプリング・ネットワークス スマート
メーター
7500万ドル
ブルーム・エナジー 燃料電池 4億ドル

※複数のファンドによる共同出資の合計額を含む

 表を見てもらえば分かるように、その投資先はクリーンテックを幅広く網羅している。最も目立つのは再生可能エネルギーだ。風力発電や太陽熱発電、太陽電池、燃料電池などに、大規模な投資をするファンドやVCが多い。「急速に伸びているクリーンテック分野は有望な投資分野だ」と、ファウンデーション・キャピタルのゼネラルパートナー、ウォーレン・ワイス氏は言う。

 米グーグルや米インテルの子会社など、IT(情報技術)企業による投資が多いのも特徴だ。インテルの投資部門、インテル・キャピタルのマネージングディレクターを務めるスティーブ・エイシェンラウブ氏は、「クリーンテック分野への投資は、イノベーションを加速できるのが利点。インテルの半導体製品との親和性も高く、新たなビジネスを創出することでグループ全体の事業を加速できる」と語る。

 このほか省エネルギー分野、電気自動車(EV)や電池などの次世代自動車関連への投資も増えている。パラダイムシフトが起きると見るや、一気に巨額のカネが流れ込んでイノベーションを加速させる。こうした動きは、米国、そしてシリコンバレーのダイナミズムを象徴している。

ファンドは米中韓、インドに熱視線

 巨額の資金を動かすファンドやVCの目が向いているのは、主に米国や中国、韓国、そしてインドだ。ファウンデーション・キャピタルのワイス氏は、「日本企業には1990年代まで半導体分野で注目していたが、クリーンテックでは中国やインドに注目している」と説明する。著名ファンドのクライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB)のサイトを見ると、そこには英語のページとは別に中国語ページが設けられているほどだ。

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