約3カ月にわたって、前の会社で社長として行ってきた会議「吉越式会議」について解説してきた本コラムも、いよいよ今回が最終回となりました(コラム一覧)。前回に引き続き、さまざまに頂戴したコメントの中で、この点については、もっと詳しくお話ししておいたほうがいいな、と思えるものに関して、お伝えさせていただきます。
なお前回に同じく、私のほうでおそらくこんなニュアンスのことをお聞きになりたいのでは、というものにまとめ、お答えするものといたしましたこと、ご了解願います。
疑問1 議題用のメモ=プロジェクターに映し出す紙とはどのようなもの?
この記事をきっかけに拙著『吉越式会議』をご購入いただいた方も多いようです(ありがとうございます!)。そこに書いていた会議の進め方の中で、議題用のメモ紙をプロジェクターに映し出すということの意味がよくわからないというご指摘をいただきました。OHPならメモ紙ではありませんし、メモもありますが、紙をプロジェクターで映すような方法があるのか、ということだと思います。これが、あるのです。
ハガキだから要点をまとめるクセがつく
日本の製品で似たようなものでより安価なものもありますが、私たちが使用していたのは、オーストリアの会社の「WolfVision」というマシンです。このマシンはなかなかの優れもので、机の上にA4より少し小さいくらいの光を当てます。そこに置いたものが、そのまま前面のスクリーンに映し出されるのです。しかも、テレビ会議を通して全国の事務所でも、同じスクリーンに映されます。したがって、紙そのものは特に変わったものではなく、全くの普通紙でいいのです。
ただ、そのスクリーンに映る文字の大きさから考えると、絵葉書サイズにまとめて書いたものが一番見やすいことがわかりました。そこで、議題を映し出す資料などを社員が作ってくる場合にも、絵葉書サイズで作ってくるようになりました。絵葉書サイズだとスペースが小さいですから、それなりの大きさでないと文字がうまく出ません。そこで誰もが要点をまとめてくるという副次的効果もありました(縮小をすればいいだろう、とA4で作ったものを絵葉書サイズに縮小してきた不届き者がいました。しかし、スクリーンに拡大しても文字が小さすぎて全く見えなかった、という笑い話もありました)。
何より普通の紙をそのまま映し出せることが便利でした。その場でサラサラとメモを書き、映し出すこともできました。私は、パソコンを会議で使ったことはありません。パソコンは意外に会議では使い勝手が悪いのです。それこそ何時間もかけてパワーポイントで資料を用意するなど、前の会社の会議ではありえませんでした。
また、OHPのように特別な用紙を用意する必要もない。とにかく手間がかからないようにしていたことも、毎日、会議ができた要因だったと思っています。
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1947年千葉県生まれ。ドイツ・ハイデルベルク大学留学後、72年に上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。極東ドイツ農産物振興会、メリタジャパン、メリタ香港の勤務を経て83年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社、リージョナル・マーケティングマネージャーを最後に86年よりトリンプ・インターナショナル・ジャパンに勤務。87年代表取締役副社長、92年に代表取締役社長に就任し、2006年に退任。同社は毎日開催される早朝会議での即断即決経営を武器に19年連続増収増益を達成。2004年には『平成の名経営者100人』(日本経済新聞社)の1人に選出された。2008年、第37回ベストドレッサー賞<政治・経済部門>を受賞。

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