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太陽熱が示すガラパゴス化の危機

  • 瀧本 大輔,山根 小雪

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2010年3月8日(月)

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 温暖化ガスを1990年比で25%削減する──。その目標を日本が達成できるのかどうかを論ずる前に、直視しなければならない現実がある。それは日本が環境分野で先進国どころか、欧米勢や中国勢の後塵を拝していることだ。

 実態を明らかにするため、日経ビジネスでは2010年3月1日号で「環境後進国ニッポン」と題した特集を企画した。日経ビジネスオンラインでは、今まさに環境分野で起きているパラダイムシフトの現場をリポートする。

 日本における再生可能エネルギーの代表格と言えば、太陽光だ。シャープや三洋電機が最先端の太陽電池の開発を強化し、発電効率などの技術は世界最高レベルにある。その裏側で、同じ太陽光をエネルギー源にした別の発電方式が、じわじわと存在感を高めている。それが太陽熱発電である。

イー・ソーラーの太陽熱発電プラント「シエラ・サンタワー」
画像のクリックで拡大表示

 日本では、政府が太陽光発電の導入量を2020年頃に現状の20倍程度にする目標を掲げ、補助金や電力の固定価格での買い取りといった制度を創設した。こうした状況だけを見ていると、太陽光発電こそが再生可能エネルギーの本命であるかのように見えてしまう。だが、実際は新興国を中心に太陽熱発電が脚光を浴び、本命視されはじめているのだ。

動画へのリンク
イー・ソーラーの太陽熱発電プラント「シエラ・サンタワー」の様子。大量の鏡からタワーの頂上に太陽光が集められているのが分かる(右側のプラントは点検中のため一時的に稼働を停止していた)
画像をクリックすると動画をご覧いただけます。(WMV形式)

 世界で最も注目されているプロジェクトが、北アフリカのサハラ砂漠で進められようとしている。独シーメンスやスイスのABBなど欧州企業12社が結集した「デザーテック」プロジェクトである。サハラ砂漠に巨大な太陽熱発電所を建設し、直流送電網を使って欧州の都市部に電力を運ぶ。この壮大な計画の総予算は、実に50兆円超に上る。このほか、スペインや米国では、既に数十メガワットクラスの発電所が稼動している。

“枯れた”技術で安定稼働

 太陽熱発電は鏡で太陽光を1カ所に集め、高温で水蒸気を発生させてタービンを回して発電する。主な方式は2つある。1つは「タワートップ式」と呼ばれ、モーターと鏡を組み合わせた「ヘリオスタット」と呼ばれる装置で集めた太陽光を、タワーの頂上にある集光器に集める。集光器には水やオイルなどの液体がポンプで送られ、太陽熱で加熱される。この熱を利用して水蒸気をつくり、タービンを回す。

 もう1つは「トラフ式」と呼ばれる。横長で曲面状の鏡を一列に並べ、その中央に水やオイルなどを流したパイプを通す。こうすることでパイプに熱を集中させてボイラーに運び、蒸気をつくってタービンを回す。どちらの方式も、ボイラーやタービンのように火力発電で実績のある“枯れた”技術を採用しているので、安定して稼働するうえ運用コストも安い。

 設備次第で、太陽光がなくても24時間連続して発電できるメリットもある。蓄熱装置に熱を貯めておけば、夜中でも蒸気タービンを回して発電できる。「同量の電力を発生させる場合は、蓄熱装置は二次電池の10分の1のコストで済む」と、太陽熱発電研究の第一人者である東京工業大学の玉浦裕教授は指摘する。連続運転できるなら、発電量の変動も気にしなくていい。

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