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第8回 リスクなくして、知名度なし、できることも少なし

2010年3月16日(火)

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今回はひときわ耳と心が痛い。メディアの「活用術」のお話です。清野さんがあけすけにツっこみ、佐藤悦子さんが率直に答える中で、取材側のメンタリティがかなり浮き彫りになってしまった気がします。「分かりやすく自分を説明することは、世の中への義務」というスタンスがつきつける厳しさは、「黙って背中で」に逃げ込むオトコらしさを許してくれません。ブルブル……(編集Y)

清野 「佐藤可士和」ブランドを世に広めるにあたり、メディアへの露出というのはとても重要だったと思います。今回は、そのメディア戦略を細かくうかがいたいと思います。

 佐藤可士和さんが博報堂から独立して、クリエイティブスタジオ、SAMURAIを設立したのが2000年。その1年後に悦子さんがSAMURAIに参加します。

 03年、デザイン界で功績のあるデザイナーに贈られる「亀倉雄策賞」を可士和さんが受賞。その直後から一般的なメディアにも取り上げられることが多くなり、04年にNHKの「トップランナー」に出演。同年には作品集の「KASHIWA SATO BEYOND」(宣伝会議刊)を出版し、同名の展覧会を銀座のギャラリーで開催しました。

 06年には同じNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演し、春にはライフスタイル誌の「PEN」が「1冊まるごと佐藤可士和。」という、同誌初の1人特集を組みます。その翌年には可士和さんの初めての著書「佐藤可士和の超整理術」(日本経済新聞出版社刊)がビジネス書のベストセラーになり、同時に刊行された悦子さんの著書「SAMURAI 佐藤可士和のつくり方」(誠文堂新光社刊)もヒットとなり、夫妻の活躍が世の中にいよいよ知られることになりました。

 これって、日本でPRに関わる人が理想として思い描くメディア展開ですが、その秘訣は何だったのでしょうか? 

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佐藤 それはもう地道にです。これですという秘訣はないんです。

清野 佐藤さん自身、SAMURAIに参加し、可士和さんのPRを始めてから、その成果が出るまでには3年はかかった、とおっしゃっていましたが、とにかく最初は雑誌の編集部に出向くところから、という感じですか。

佐藤 そうです。私は化粧品のPRをしていたので、幸いにもPRキャラバンの仕方は分かっていました。でも、同じ雑誌の編集部でも、化粧品のご担当と、カルチャーのご担当はもちろん違います。知り合いの化粧品担当の方にカルチャーの方を紹介していただいて、会いに行ったり、情報を送らせていただいたり、というところから地味に始めました。

ネタ飽和状態の中にどう切り込むか?

清野 メディアサイドからいうと、情報にしろ、人物にしろ、PRを目的とした売り込みというのは日常茶飯のことなんですね。ですので、編集者やライターというのは、その情報なり人物なりにフックがないと、なかなか取り上げよう、という気にはなりません。かといって、「これが新しいんです」「私は面白いんです」といった自己宣伝だけのフックでは、効かない。その辺りはどう考えられましたか。

佐藤 何も話題がないのに「ただ取り上げてください」では、もちろん相手も困るので、何かファクトがある時にと心がけていました。その意味でいえば、03年に佐藤がいただいた亀倉雄策賞は大きなきっかけでしたね。

 これは受賞記念の展覧会もギャラリーで同時に開催できるので、そのリリースを作り、雑誌の編集部に持参したんです。これを機に編集の方に佐藤の名前と存在を知っていただき、運がよければ、展覧会やイベント情報欄で紹介していただいたり、あるいは、「今後も何かでクリエイターとして登場させていただけるようなテーマがありましたら、ぜひよろしくお願いします」、というようにお願いをしました。

清野 時折、「○○誌のこの欄で取り上げてほしい」と、先方からご指定のある売り込みを受けることがあるのですが、そういう「上から目線」とは違ったアプローチですね。

佐藤 だって、そんなに強気に出るような存在ではありませんから(笑)。扱いは小さくてもいい、何かのついででもいいから、そのコーナーに佐藤可士和という名前とプロフィールだけでも載せていただければうれしい、と本当にそう思っていました。

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「第8回 リスクなくして、知名度なし、できることも少なし」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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