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フットワークの無念、ハマキョウの挑戦

ダメになった運送会社をどう建て直すか

  • 大矢 昌浩

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2010年3月16日(火)

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 物流会社の経営がどんどん苦しくなっている。国際物流の荷動きは2009年後半にどうにか底を打ったようだが、国内物流は2010年度にもう一段の減少が予想されている。

 今回の不況でとりわけ大きなダメージを受けているのが、トラック1台を貸し切るほどのボリュームがない荷物をドア・ツー・ドアで混載輸送する「路線便」だ。

 路線便は行政管理上は宅配便と同じ「特別積合せ貨物自動車運送事業(特積み)」として位置づけられているが、宅配便と路線便ではそのサービス内容や事業形態が大きく異なるため、市場としては明確に分かれている。

 宅配便が消費者物流まで対象としているのに対し、路線便は事前に運送契約を結んだ荷主の企業間輸送に特化し、宅配便のサイズを超える中ロット貨物も取り扱う。

 その最大手の日本通運の路線便売上高は昨年10月以降、前年の半分以下の水準まで落ち込んでいる。年末繁忙期の12月次は前年比マイナス61.3%という記録的な減少幅だった。

淘汰が進まない路線便

 一般に運送業は不況に強い業種と言われている。実際、貸切輸送に関しては長期契約が主流で、仕事が減っても孫請けの傭車を切るか、あるいは減車することで、固定費を下げられるので倒産はしにくい。

 しかし、特積みは装置産業だ。幹線道路沿いの各地に荷物を積み替えるターミナルを設置し、ターミナル間の幹線輸送を大型トラックの定期便で結ばなければならない。物量が減ってインフラの稼働率が落ちると恒常的な赤字に陥る。

 また特積み事業は、カバーする範囲が広いほどサービスの利便性は高まり、取り扱う物量が多くなるほど単位当たりのコストが下がる。貸切とは違ってネットワークの外部性と規模の経済性が働く。

 そのため、本来であれば市場競争によって寡占化が進む。宅配便がその誕生から30年余りを経て、ヤマト運輸・佐川急便・郵政公社の実質3社にまで集約されたのは周知の通りだ。

 ところが路線便は宅配便よりもずっと古い歴史を持ち、早くから成熟化が指摘されていたにもかかわらず、いまだに300社が事業を継続している。淘汰が進んでいない。

 この300社はいずれも上場会社や中堅以上の運送会社で、国内のトラック運送会社約6万3000社の頂点に立つ業界のリーダー的存在だ。

 路線会社はトラック運送業の近代化を進めてきた立役者でもある。ドライバーと車両を提供するだけだったトラック運送業を、集配ネットワークと情報インフラで構成された混載輸送サービスへと進化させた功績は決して小さくない。

 しかし、その成功が大きかった分だけ、変化への対応は鈍かった。

 国内貨物輸送量が拡大傾向にあった90年代中頃までは路線便の共存共栄も可能 だった。しかし、市場が縮小に転じればパイの奪い合いになる。

 シェア争いに負けた路線便は赤字になる。通常であれば事業撤退や統合が進む。生き残った路線便は残存者利益にあずかる。それを再投資してインフラを拡充する。その結果、サービスの利便性が増し、さらに淘汰が進むという市場原理が働く。

 ところが実際には、採算のとれていない路線会社であっても、それまでの蓄えを吐き出しながら事業を継続している。

 その理由として、赤字でもサービスメニューに路線便を乗せておくことが、貸切輸送の荷主をつなぎ止めておくのに必要だと説明されることもある。が、実際には苦労して作ったインフラに対するオーナー経営者の思い入れのほうが強いようだ。

 その結果、路線便市場は勝ち組のいない構造不況に陥っている。そして必要な再編を先送りしたままで今日の危機を迎えてしまった。

昔からあった「路線便」再編構想

 今後も回復は期待薄だとすれば、いよいよ路線会社すなわち中堅以上の運送会社の再編が本格化する。改革が遅れたことで病状は進行している。痛みの大きなリストラが避けられそうにない。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長