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ドラッカーに影響を与えた『論語』は“お笑いのネタ”?

渋沢栄一を経てグローバル化した『論語』の旅をたどる〈1〉

2010年3月25日(木)

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 現代の英米において、『論語』や孔子は、お笑いのネタにされつつ、尊重もされているという、ちょっと不思議な受け入れられ方をしています。まず英語には、こんな冗句の慣用句があるのはご存知でしょうか。

 「CONFUCIUS SAYS」

 訳しますと、「孔子がおっしゃるには」となりますが、この慣用句に続けるのは、

・当たり前の内容を
・わざと文法を間違えて
・大袈裟に言う

 という文章なのだそうです。そして、会話している同士でゲラゲラ笑う――。

 これを説明してくれたカナダ人の女性は、「決して馬鹿にしているわけではないですよ」と言っていましたが、まあ、お笑いのネタに使われる程度の認識なのも事実なんですね。

 ところが、経営学のジャンルに目をやりますと、近年の論文にはこんな内容のものが出てきています。

・it is argued that Confucian Ethics is able to provide some unique philosophical and intellectual perspectives in order to forge a richer understanding and analysis of the field of contemporary Business Ethics.

 現代のビジネス倫理の分析とより深い理解の進捗のために、儒教はユニーク、かつ哲学的、理知的な考え、見方を提供しうるものである。(Gary Kok Yew Chan [2008], The Relevance and Value of Confucianism in Contemporary Business Ethics, Journal of Business Ethics)

・Confucian ethics underlie much of Drucker's writing.

 儒教はドラッカーの多くの著作の基礎となっている。(Edward J. Romar[2004] Managerial Harmony: The Confucian Ethics of Peter F.Drucker, Journal of Business Ethics)

いかに受容されグローバル化の要素を組み込んでいったか

 特に前者のような論文は、金融危機以後、経営倫理を復興しようという風潮のなかで、アリストテレスの再評価とともに増えてきたとのこと。こちらの立場における『論語』や儒教という存在は、経営倫理や商売道徳の基盤として高い評価を与えられています。

 一方でお笑いのネタ、一方で経営倫理の基盤。このまったく異なる評価の背景にかかわってくるのが実は日本の資本主義や実業界の父と呼ばれる渋沢栄一の活動でした。今回から数回にわたって、2500年にわたる『論語』受容の旅――『論語』はそもそもどのような教えであり、それがいかに日本に受容され、渋沢栄一という分岐点を経て、グローバル化の要素を組み込んでいったか――を追っていきたいと思います。

 まず、本題に入る前に『論語』に関する基礎知識を、簡単に触れておきましょう。

コメント15件コメント/レビュー

とても面白く読めて楽しかったです。と、言いたいところですが、ちょっと不勉強なのでは。中国の「授時暦」はグレゴリオ暦よりも三百年以上早い成立にも関わらずそれ以上の精度を誇っていました。また、インドの歴史文献が残っていないのは、記憶媒体が葉っぱであったから、というだけで、歴史に興味がなかったということは断じてありません。(中村元など著書に詳しくは)あまりに我田引水的で、論立ては面白いのに残念です。(2010/03/29)

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とても面白く読めて楽しかったです。と、言いたいところですが、ちょっと不勉強なのでは。中国の「授時暦」はグレゴリオ暦よりも三百年以上早い成立にも関わらずそれ以上の精度を誇っていました。また、インドの歴史文献が残っていないのは、記憶媒体が葉っぱであったから、というだけで、歴史に興味がなかったということは断じてありません。(中村元など著書に詳しくは)あまりに我田引水的で、論立ては面白いのに残念です。(2010/03/29)

今、中国にこそ必要な論語。多くの研究成果が文革期の非孔非林運動で壊滅したのが悔やまれます。論語は現代中国に失われた精神文化遺産ですが、他国で発展しているのは或る意味幸運ですね。私達の日本が中国文化の避難地として機能しているのでしょうか。(上海から)(2010/03/29)

不勉強ながら儒学というのは政治理念だと思っておりましたが…。逆に、ギリシアの哲学や学問は西からどこまで広がったといいますとやはり東限があろうかと思います。中央アジア山岳地帯が地理的な境界となり、その地域を越えて活動するのが商人か遊牧民が主体であるゆえに、政治的な学問は互いに広まらなかったという考えはいかがでしょう。孫子はナポレオンも読んでいたと言われますし。(2010/03/25)

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