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対前年シンドロームから脱却するために、物差しをもう1本

  • 常盤 文克

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2010年3月29日(月)

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 最近になって、ようやく景気が上向いてきたとの声があがっています。一方で、その実感は薄いというのが、多くの国民にとっての現実でしょう。今年はGDP(国内総生産)が改善する見通しと言われていますが、それは外需が旺盛なおかげです。国内市場は活気が乏しいように感じます。

 だからといって景気の良し悪しを論じているだけでは、明るい未来は開けません。それでは発想を転換してみたらどうでしょうか。確かに現状は厳しい。しかし、これが常況だと考えて受け入れ、物事に従来とは異なる新しい物差しを当ててみれば、案外そこに新しい気付きがあり、新しい切り口が見つかり、新しい未来が見えてくるはずです。物事を暗く、否定的に見ていては、決して先は開けないのです。

 ここで言う物差しとは、物をみる目とか価値をはかる尺度という意味です。この物差しには2つの特徴があります。まず1つは、目盛りは粗い方がいい、ということ。「丼一杯」「一掴み」とか、東京ドーム何個分、といった具合です。そしてもう1つは、どこでも何でもはかれることです。定規のような硬い物差しでは融通が利かず、曲面や凹凸があるものをはかれません。むしろ、巻き尺やひも尺のような柔軟さが必要です。

 なぜ、粗い目盛りや柔軟な物差しが求められるのでしょうか。物差しの尺度は、ものの考え方や価値観によって人それぞれに微妙に違うものです。そんな中で、誰もが対象に対して共通の理解と認識を持つには、目盛りが大雑把だったり、多少は凹凸があってもはかれてしまう余裕があった方がいいのです。つまり、「のりしろ」があることで、人によって微妙に違う物差しの目盛りに共通項が出てくるのです。この共通項が、物事を変えていくときに大きな力となります。

質の競争を行うのに、量の物差しを使ってはいけない

 私たちは依然として物事を従来と同じ物差しではかってます。例えば、量から質への転換が重要だと久しく言われていますが、どうしても量指向になりがちです。企業はいかに売り上げを増やすか、規模やシェアを拡大するか、といった発想から抜けられません。口では「質の時代」と言いながら、結局は量指向なのです。ここを改めなければ、本質的には何も変わりません。

 何もかもが飽和している国内市場で、量を増やすことには自ずから限界があります。それにもかかわらず、経営者も現場の管理職も売り上げの増減に一喜一憂して、対前年の伸び率何%といった数字の大小にこだわります。こうした症状は「対前年シンドローム」と呼んでもいいでしょう。ここから企業はなかなか抜け出せません。この対前年シンドロームを治すには、物差しを量から質に変えるしかありません。

 ただ、現実は売り上げ、つまり量を上げようとすると、どうしても安売り競争に陥ってしまいます。いまポイントサービスが盛んですが、これは安売りの変形です。こうした手法で売り上げを増やそうとするやり方は、いずれ息切れするでしょう。なぜなら、どこもみな同じようなことをやっていて、真の顧客価値創造ではないからです。

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