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日本に林業の専門家がたくさんいるという“ウソ”

森林組合は、森林管理の担い手となるべきである

  • 梶山 恵司,戸矢 晃一

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2010年3月29日(月)

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 新政権が昨年末に発表した新成長戦略および森林・林業再生プランは、10年後の木材生産量を現行の1800万立方メートルから4000万~5000万立方メートルに引き上げること、これによって木材自給率を現在の24%から50%以上に引き上げることを目標として掲げている。

木材の国内自給率50%を目指して

 そこでよく指摘されるのが、それだけの材を出したら山が丸裸になってしまう、そもそもそれだけの材の需要はあるのかという点である。結論から言うと、その心配は杞憂であり、需給ともに全く問題ない。

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 まず、供給については、現在でも路網がない、技術力がないなどで間伐して山に放置されている材が2000万立方メートル存在している。これに生産され利用される木材1800万立方メートルを加えれば、4000万立方メートル近い材が今でも伐採されていることになる。つまり、10年後の目標とする木材生産量の下限は、伐採量だけを見れば、現在でもほぼ達成されているということだ。それでもまだ間伐が必要とされる山は無尽に存在するといっても過言ではないほどである。このことは、5000万立方メートルの木材生産でも日本の森林を適切に維持管理するにはまだ不十分であることを意味することにほかならない。

 そもそも日本の森林の年間成長量は1億立方メートルを超えており、これに伐採された材を加えれば、実質1億4000万立方メートルは成長している計算になる。森林は成長量の7割前後を定期的に伐採しなければ健全に維持することはできず、これから逆算すると1億立方メートルという数字が導き出されるが、木材生産量5000万立方メートルとしたのは、手を加える必要の希薄な森林もあることなどを勘案したうえで、向こう10年間の現実的な目標設定としたためである。

 他方、木材需要については、「自給率24%」がすべてを物語っている。つまり、需要そのものは巨大であり、要はいかに外材のシェアを国産材に置き換えていくかの問題であるということである。この点については、次回にて詳しく分析することにする。

大半の森林所有者は林業から離れている

 木材生産量5000万立方メートルは、間伐面積に置き換えると、80万~100万ヘクタールとなる。これは四国の半分以上に相当する面積である。日本の人工林面積は1000万ヘクタールであり、間伐のサイクルを10年とすれば、この面積はまさに、年間の必要とされる間伐面積ということにほかならない。現状、間伐面積は30万~40万ヘクタールで推移していることから、この面積を倍以上にするということだ。

 これだけの面積を処理していくためには、生産性の高い林業機械が不可欠である。この点、日本の「林業機械」とされているものは、実は本来の林業機械とは似て非なるもので、生産性の向上に限界があることは前回分析した通りであるが、この秋には、欧州製の本格的な林業機械の導入が始まる。

 そうなると、機械1セットで年間200~400ヘクタールを間伐できるようになる。間伐のローテーションを10年として、機械1セットで2000~4000ヘクタールを処理できるということだ。こうした機械の普及が進めば、5000万立方メートルの木材生産も到達圏内に入ってくるだろう。

 もっとも、そのためには、事業量を確保することが大前提である。

 現在の森林所有者の大半は相続で山林を所有しており、林業とは全く別の仕事についている、故郷を離れて都市部などに暮らす不在村地主であるなどで、自ら林業の担い手となるのは困難である。こうした森林の多くは数ヘクタール以下で、境界も複雑に入り乱れていることが少なくない。

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