• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

episode:48
「数字をみて、その変化を見ていると、その対象が生きて動いているのがわかるんだな。」

  • 阿川 大樹

バックナンバー

2010年3月30日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回までのあらすじ

老舗 大日本鉄鋼の3人だけの部署、第三企画室は新会社オルタナティブ・ゼロとして独立した。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)は社長、風間麻美(かざまあさみ)は第三企画室室長、楠原弘毅(くすはらこうき)は次長だ。風間のプロジェクトであるガレージ村は新しい局面を迎えていた。

【登場人物の紹介はepisode:zeroをどうぞ】

画像のクリックで拡大表示

「佐藤さんは?」

「ちょっと休んで充電中」

 佐藤さんは、ガレージ村でふだんいちばん無口な元経理マンだ。

 家が近いこともあって、いつここに来ても居る。たぶん、このガレージで一番滞在時間の長い人だ。この間も今日もその佐藤さんがいない。

「ここ3週間ほど来てないけど、多分、もうじき来るよ」

「佐藤さんが、3週間も? 身体でも悪くしたんですか?」

「正確にいうと、充電じゃなくてバッテリー再生中」

「はあ?」

「駄目になったバッテリーにパルス電流をかける、というのを数週間繰り返していくと、かなりの確率でまた能力がアップするんだ。ここのところ佐藤さんはそれに凝っていて、古いバッテリーを集めてきては再生している」

「そういう作業なら、なんでガレージでやらないんです?」

「手間がかかるらしいんだ。毎日、充電したり装置をつなぎ替えたり、電圧を測ったりしなければならないらしい。だから、家でやる方が都合がいいらしい」

「まるで家に籠もって何かのオマジナイをかけているみたい。でも、たしかにバイクを持っていると、乗らなければ乗らないで、けっこうバッテリーの心配していますから、そんな悩みがなくなればうれしいかも」

「僕も最初胡散臭いと思ったけど、データを見ると、確かに能力が回復している。ぼくのバッテリーも充電して二日後にはセルモーターを回せなくなったのがあったんだけど、ほとんど元通りになった。調べてみるとちゃんと理屈はあるんだ。電極に硫酸鉛という物質ができてしまって、バッテリーの性能が下がってしまうんだけど、パルスを与えると、それが徐々に除去されていくらしい」

「はじめて聞きました。バッテリーを直せるなんて」

「いや、ふつうに通販で買えるよ。パルス充電器とかパルサーで検索すればいろいろ出てくる」

 iPhoneを取り出してさっそく調べてみる。なるほど、いろいろな製品が売られている。

「どのサイトもなんだか雰囲気が胡散臭いですね~」

「そう、不思議にネットで見るとインチキ商品に見えるんだよね。値段も3千円だったり2万円だったりするから、よけいにね」

「なんでそんなに違うんですか」

「佐藤さんは、秋葉原で部品を買ってきて、1台千円くらいで自作している。それで効果があるんだから3千円で売っても大儲けだね」

「もしかして、ガレージ村で事業化しようとしているんですか?」

「だめかな」

 堂本さんは子供が母親のご機嫌を伺うような目をしてこっちを見た。わたしの方がずっと年下なのに。

コメント6

「第三企画室、出動す ~ボスはテスタ・ロッサ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック