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「配当金」と「自己株式の取得」はどこに表れるのか

【完結編】「株主資本等変動計算書」の読み方

  • 國貞 克則

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2010年4月13日(火)

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 このコラムの読者の皆さんは配当金の支払額が財務諸表のどこに表れるか知っていますか? 配当金は会社から株主へ支払われるものですから、財務諸表のどこかに表れるはずです。いままで「財務3表」ということでPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)とCS(キャッシュフロー計算書)の分析をしてきましたが、実は財務諸表にはもう一つ重要な表があります。「株主資本等変動計算書」です。この「株主資本変動計算書」がないと財務諸表は完結しません。

配当と「株主資本等変動計算書」

 第1回のコラムでは、財務諸表の見るべきポイントを説明しました。第2回のコラムでは、会計の初心者でも財務分析ができる「図解分析」とう方法を説明しました。その後、実際の企業の財務諸表を比較、分析することで、実践力を磨いていただきました。7回目にあたる今回のコラムは、第1回と第2回と同様、会計の仕組みを理解するための説明編の最後にあたります。この3回分をまとめてお読みいただくことで、会計の全体像がご理解いただけると思います。

 第3回から第6回のコラムで企業の財務分析をしてきましたが、その中で、BSの「利益剰余金」がたくさん積み上がっている会社は優良企業だと説明してきました。しかし、現実にはたくさんの利益を出してきているにもかかわらず比較的「利益剰余金」が少ない会社があります。

 例えば、テレビ業界のフジテレビ、TBS、日本テレビ、テレビ朝日はどこもこれまで莫大な利益を出してきています(詳細な比較図をご覧になりたい方は拙著『決算書でよむ企業と業界力』をお読みください)。しかし、BSに占める利益剰余金の比率を見ると、過去5年間で最も利益を出してきたフジテレビの利益剰余金が比較的少ないのです。この理由は「株主資本等変動計算書」を見ればわかります。

そもそも配当とは何なのか

 配当金が財務諸表のどこに表れるかを具体的に説明する前に、そもそも配当とは何かを理解しておいていただきたいと思います。ここからの説明は資本主義の論理に則って「会社は株主のもの」という考え方で話を進めていきます。日本では会社はだれのものかということに関してはいろいろな議論がありますが、米国で「会社はだれのものか」と質問すれば、ほぼ間違いなく「株主のもの」という答えが返ってくるでしょう。資本主義の論理に従えば会社は株主のものです。ここでは話を簡単にするためにある1人の株主が、ある会社の100%の株を持っていると仮定しておきましょう。

 ではここで皆さんに質問です。株主が出資している会社があげた最終の利益である「当期純利益」はだれのものでしょうか? 答えは株主のものです。会社は株主のものですからその会社があげた利益は株主のものなのです。

 そう言われてもすぐには納得できないですよね。では、株主は何のために株式投資をしているのでしょうか。いろいろと理由はあるでしょうが、基本的に株主は自分のお金を株式投資で運用して殖やしたいから出資しています。もし、この株主が会社に出資しないとすると、株主には他にどんな運用方法があるでしょう。国債を買ったり定期預金に預けたりといった方法があります。

 仮に、株主がある会社に100万円出資しているとしましょう。もし、この100万円を会社に出資するのではなく定期預金に預けていたとしましょう。定期預金に100万円預けておけば1年後にはなにがしかの利息がつきますね。例えば年率5%、5万円の利息がついたとします。この利息はだれのものでしょうか。もちろん定期預金にお金を預けている株主のものですね。

 実は、会社の資本金と当期純利益の関係は、定期預金における元本と利息のようなものなのです。

 さらに、定期預金にお金を預ける場合、利息を毎年引き出して元金部分だけを運用していくという方法と、利息を引き出さずに元金部分に加えて複利で運用していくという方法があります。そして、この利息を毎年引き出すか、それとも複利で運用するかは、定期預金にお金を預けているあなた自身が決められることですね。

 会社からの配当もこれと同じです。定期預金の利息を毎年引き出すのが株式投資における配当です。定期預金の利息を引き出さずに複利で運用するのが、当期純利益を会社に利益剰余金として再投資することなのです。

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