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ツッコまれたら、あなたが「学んでいる」証拠だ

【特別対談】東京大学“ラーニングバー”中原淳さんと大人の学びを考える(後編)

  • 鈴木義幸

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2010年4月13日(火)

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 コーチングのトッププロである鈴木義幸氏が、「大人の学び」を研究する東京大学准教授・中原淳さんと展開する“学び談義”。その後半部分をお届けする。

 前編では、「学ぶ」ことの本質は自分が「変わる」ことである、という中原さんの学びの定義が示された。世の中には学ぶことのできない、さらに学ばないことを学んでしまった大人たちも多くいるという。年齢や経験が凝り固まった信念を呼び、学びの障壁となるのだ。

 後編ではより具体的に、大人に学びをすすめる中原さんがどのような実践をしているのかも語られる。リアル書店の活用術、さらに中原さんが主催する「ラーニングバー」の楽しみ。学びの専門家ご自身の軽やかな学びは、経験を積んだ社会人ほど参考になるはずだ。

(写真:佐藤 類、以下同)

中原淳(なかはら・じゅん)

東京大学・大学総合教育研究センター准教授。北海道出身。大阪大学より博士号授与。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人々の学習・成長・コミュニケーションについて研究する。研究室は研究者や実業家を招いて行う“Learning bar@Todai”をプロデュース。共編著・共著に『企業内人材育成入門』(ダイヤモンド社)、『ダイアローグ 対話する組織』(同)、『リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する』(光文社新書)、『職場学習論』(東京大学出版会、近刊)。
Blog:nakahara-lab.net,U-TOKYO Twitter ID:@nakaharajun

鈴木義幸(すずき・よしゆき)

コーチ・エィ取締役社長。慶應義塾大学文学部卒。マッキャンエリクソン博報堂勤務を経て、渡米。ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程を修了。帰国後、コーチ・トゥエンティワンの設立に参画。延べ200社以上の企業において管理職を対象とするコーチング研修を行う。また200人を超える経営者、管理職のマンツーマンコーチングを実施。著書に『職場スイッチ―ひとりでもできる会社の空気の入れ換え方』(ダイヤモンド社)、『リーダーが身につけたい25のこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『エグゼクティブ・コーチング入門』(日本実業出版社)など。

前編から読む)

鈴木:歳をとって経験を積むほど、「学ぶこと」つまり「自分を変容すること」が難しくなってくる。であれば、まだ信念が凝り固まっていない段階で、変容を受け入れる心構えが大切になってくると思います。ある電機メーカーの執行役員は、「企業におけるリーダーシップも、課長あたりの段階で身に付けておかないとだめなんじゃないか」とおっしゃっていました。

 若いうちから常に学び続ける。そうした姿勢を身に付けるには、どうすればよいと中原先生はお考えですか?

中原:そうですね。学びに対する姿勢は、信念が形成されるプロセスの、できるだけ早い時期のほうがいいと思います。どこまで早いほうがいいか、という話になりますけどね。家庭環境から影響を受ける部分だって、少なくないからです。

 テレビを見ていて「あれなあに?」と疑問を投げかけてきた子どもに対して、父母が何も答えないか、その場で答えるか、おもしろそうだから実物を見に行こうと出掛けるか。育つ家庭の文化的資本の差によって、大人になってからも学ぶことへの心構えがずいぶん違ってくる。それは否定できない事実です。

人は学ぶことを宿命づけられた存在だ

中原:でも、僕の感覚からすると、育ちがどうであれ、何より、学ぶことをやめてしまったら、それは不幸だと思いますね。

 ちょっと大きな話になりますが、結局、人は、一生学ぶことを宿命づけられているのではないでしょうか。僕たちは、「育てられる」「育てる」「看取る」「看取られる」の世代継承の連鎖の中にいるのではないか、と思うのですよね。

 学ぶのは、子どもだけではなく、仕事をしている人でも同じなのではないでしょうか。職場に新しい制度が入ってきたり、新しいビジネスモデルが主流になったり、そうした日々の変化に自分が追い付いていけないとならない。そうしたプロセスの中で、人と対話し、気づいたりすることが、学びであるのです。

 学者が日々の変化に追い付くためには常に論文を読まなければなりませんが、ビジネス社会で生きる方は常に人と会って気付きを得ていかなければだめなんじゃないかと思うんです。

鈴木:みんなサバイバル社会の中で生き残りたいと思っている。でも、同時に「学ばないでいるほうが生き残れる」と思っている人もいるような気がして。

 学ぶことは気付きを伴いますよね。何かに気付くと心が揺れる。感動する。でも、自分を変えなければならないことに、煩わしさや面倒くささも覚えてしまう。だから、なるべく感動を避けるように、気付いても気付かぬ振り、見ても見ぬ振りをする。

中原:そこまで閉じこもってしまった人の殻をどう割ってやればいいのか……。僕にはわかりません。教育にできること、と、できないことがあります。

 教育にできること、僕に語りうることは、「学ぶことって面白いですよ」というかたちで「学びの魅力を語ること」。もうひとつは、「自分を変えたいと自らほんの少しでも願う人」に対して、変わるためのきっかけになるような「環境」や「人間関係」をセットすることだと思います。

鈴木:私が大学院で専攻していた臨床心理学では、方法はふたつあるんです。よく、プールなどの水を怖がる人に対してどのようなアプローチをとるかという話に喩えられます。

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