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「遠山の金さん」の三権分立論(1)

――「脱官僚」と「政治任用」を巡る大きな勘違い

2010年4月6日(火)

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 新年度になりました。新たなスタートを切られた読者も多いかと思います。社会情勢は内も外も問題山積、なかなか難しい状況ですが、なんとか具体的な解決策を見出して、新しい年度も前向きに進んでいきたいものです。

 さて、前回、ご紹介した米国民主党政権首脳、危機管理と安全保障のスペシャリストであるリチャード・ダンズィグ氏の朝日新聞寄稿の中で、論の本筋ではないのですが、

 経済界や政府の健全な組織は、指導者を交代し、新たな活動をする場合には新たな専門家を招き入れ、それによって消費者や市民の求めに共鳴する。オウムの経験は、開放性の欠如と引き換えにテロ組織が支払う重いツケを示している。

 とあるのを引用しました。この「新たな活動をする場合には新たな専門家を招き入れ」「それによって消費者や市民の求めに共鳴する」という部分から、昨年の総選挙と政権交代時に私が期待し、今現在、実現していないと思う、基本的な問題を、数回にわたって考えてみたいと思うのです。

「脱官僚政治」の大間違い

 昨年の総選挙から政権交代の時期、私は、長年続いた55年体制的な政治の袋小路がこれでやっと破れる可能性がある、と大いに期待しました。それと同時に早い時点から「脱官僚政治」なる言葉は使い方を誤るとたいへんおかしなことになる、という指摘も付け加えておきました(「新政権は『閥族支配』の癌を切れるか?」参照)。まず、そこから振り返ってみましょう。

 なぜ「脱官僚政治」ではダメなのか? 脱<官僚政治>であれば良いのです。しかし脱<官僚>の政治、マツリゴトから官僚を閉め出しても、ろくなことにならない、ということを、強調したつもりです。

 これは大事なポイントなのですが、なにか言葉尻の問題であるかのように誤解された方もありましたので、きちんと押さえ直してみます。そのためには、この国の大本、つまり「日本国憲法」に立ち返って、状況を整理するのが早道と思います。

 そこで以下、極めて初歩的なところから「常識の源流を探訪」することを、どうかお許しください。こういう原理が見えていると、あとでロジックがスキっと通るからです。

 時折「当たり前のことしか書いてない」とコメントを頂く「常識の源流探訪」ですが、今回はとりわけ当たり前のことしか書いていません。が、もしもその中で、日ごろ見慣れた印象と小さな齟齬を感じていただければ、とても嬉しいという狙いの、今回の原稿です。

 日本国憲法は「国民主権」を謳い、「三権分立」を堅持する「民主国家」としての骨格を持っている――小学校でもそう教わりました。この「三権」ってなんでしょう? 立法権、行政権、司法権の3つを国憲を成立させる「三権」と言うのでした。これらが独立しており、主権者である国民が、3つに分断した国憲を適切にコントロールしてゆくから「民主国家」になるわけです。より具体的には、

立法権 議会 国民が代議士を選挙で選ぶコントロール
司法権 裁判所 選挙の折り、国民が最高裁判所判事を投票で審査

と並べる時、ではもう1つの行政権は? と考えると、

行政権 役所、役人、公務員、官僚
  国民はどうやってお役人をコントロールしているの?

 という問いに突き当たると思います――改めて、常識の源流を確認したいのですが、お役人の長、って、いったい誰なんでしたっけ?

大岡越前の「三権混立」

 多くの読者から当たり前のことを訊くな、とお叱りを受けそうですが、実はこのクイズ、東京大学の学生、特に理系の学生に尋ねると、即答して正解する率は野球の打率なみ、つまり3割なかなか行かないんですね、実際の話です。

 まあ、当然ながら、役人のトップも国民が選んでいます。そうでなければ国民主権国家とは言えません。ただし、それは自分たちが直接選挙で選んだ代議士たちが、国会の場で投票することで、行政府の長を間接的に選んでいる。正解は改めて言うまでもなく、内閣総理大臣。そして首相が任命する外務、法務、金融、国土交通、厚生労働、文部科学・・・閣僚が民主政権で行政府の長として民意を反映したコントロールをしている「はず」ですね。

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