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第28話「材料費割合70%、粗利率30%でリッター25キロ以上走れる車を作れ。販売価格は50万円台だ」

2010年4月14日(水)

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これまでのあらすじ

 日野原工業は、「ヒノハラ」と社名を変えて新たな船出をした。

 しかし、日野原五郎が社長だった時に行った、巨額の遊休設備の建設と滞留在庫の山が、早くもヒノハラの経営を圧迫していた。これは、日豊自動車の購買部長に言われるまま行った投資だった。

 ヒノハラの資金繰りは厳しさを増し、資金が1億円不足するという状況に追い込まれていた。経理部長となった細谷真理にとっての最初の試練だった。

 金子順平の父親、尚三は、元教え子で、日豊自動車の専務の湯浅に電話をした。息子に頼まれてヒノハラの資金繰りについて相談するためだった。

 しかし、湯浅はたとえ恩師であっても、金子尚三の申し出には耳を貸すことはできなかった。ただ、尚三が電話口で言った、購買部長の木村の名前は記憶にとどめておいた。

日豊自動車 専務室

 湯浅は恩師金子の言葉が頭から離れない。

 「きみは偉くなった。だからこそ、現場で何が起きているか、知らなくてはならないんじゃないかね」

 (そんなつもりで言ったのではないのに…)

 湯浅自身、現場の重要性は誰よりも理解しているつもりだった。もっと言葉を慎重に選ぶべきだった。

 入社時の研修でこんなことを教わった。

 「安易にロボットを入れれば、製品原価は高くなって、作り過ぎの在庫が増えてしまう」「結局、生産管理で何が一番大切かというと、でき過ぎを抑えることなんだ」

 この考えは、いわば日豊自動車の憲法そのものだと、その経営幹部は強調した。あれから30年たった今も、従業員一人ひとりのDNAに刷りこまれている。そう、湯浅は思っていた。

 だか、そうではないらしい。購買部の木村は、社内ではご法度になっている無駄な投資と無駄な在庫を、他社に強要しているというのだ。

 (あり得ない話だ。金子先生の誤解ではないだろうか…)

 だが、もしそれが事実としたら、あまりに影響が大きい。ビジネスの効率は個々の企業単位で目指すべきではない。ビジネス全体のプロセスの効率化を目指さなくてはならない。日豊自動車なら、連結グループにとどまらず、ビジネスプロセスを構成する部品業者から販売店にいたる、すべての効率化を忘れてはならないのだ。

「「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第28話「材料費割合70%、粗利率30%でリッター25キロ以上走れる車を作れ。販売価格は50万円台だ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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