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“裸”になれない上司は、いらない?

元気な新人が潰れていく理由

2010年4月15日(木)

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 ここ数日、今春に企業に入社した新人社員と数回にわたって接する機会があった。

 大卒で80.0%という2000年以降では最も低い就職内定率を記録した昨年の就職戦線(厚生労働省・文部科学省調べ、今年2月1日時点)。その激戦を勝ち抜いてきた彼らの様子を伺うために、新卒社会人の研修に参加したり、彼らを集めて話を聞いたりした。

 彼らに会って抱いた率直な印象は…。とても「元気」というものだった。

 就職先が第1志望ではなかったとする人でさえも、「不安はある」と打ち明ける一方で、非常に前向きな姿勢を示していた。

 社会人になって意気揚々としている彼らを「元気」などと形容することに対して、「当たり前だろう」と違和感を持つ人もいるかもしれない。だが、彼らの元気さは、私にはかなり意外だった。なぜなら、これまで講演会や研修、あるいはインタビュー調査などで接してきた新入社員は、概して「元気」がなかったからである。

 中堅の社員が若手社員について、「真面目で言ったことはちゃんとやるが、それ以上のことをやろうという向上心が見られない」と評するのをよく聞いてはいたが、そんな彼らの“言い分”をすんなりと納得できるほど、これまで接してきた彼らは元気がない。「大丈夫かなぁ」と心配になってしまうくらいおとなしかったのだ。

 中には、既に仕事に対してやる気を失っている新人社員の姿も見られた。「あーっ、これが最近の若者の傾向なのか」と残念に思うほど、若さゆえのエネルギーを感じることができなかった。

今年の新人が「元気」に思えた真の理由

 元気だった今年の新入社員、元気のなかった昨年までの新入社員──。

 実はこの両者には大きな違いがある。元気のなかった新入社員は、いずれも入社して3カ月以上が経過しており、今回会ったような入社したての新入社員ではなかったのである。

 つまり、私が意外だと感じたのは、「何だぁ、最初は皆こんなに元気なんじゃん」という驚きからだったのだ。

 なぜ、入社直後には意気揚々としている新入社員が、数カ月もたつとすっかり元気をなくしてしまうのだろうか?

 少し乱暴な推察かもしれないけれど、実はどんな新入社員も意欲に満ちているのに、配属された職場が、彼らの前向きな気持ちを損なっているのではないか、と思うのだ。

 いや、何もすべてを職場のせいにしようというわけではない。だが、職場にうまく適応できなかったことが、新入社員たちから“元気”を奪ってしまったんじゃないか。「いい人材がいない」と嘆く上司が多いけれど、いい人材になれる“金の卵”だったのに、現場に配属された途端、卵からかえることができなくなってしまっているのではないか、と。

コメント11件コメント/レビュー

新人の問題は、結局、その上司たちの問題であり、そして、その上司たちの問題は、職場の問題であり、最終的には、トップの問題となると思います。一年を通じ、単に数字だけに責任を持たせる経営の仕方では、新人の教育など、好んでやるはずがありません。客観的に考えても、新人に限らず、要員の底上げは、組織の競合力の強化に必須であり、これをさぼると長い期間での凋落に繋がります。現在の日本の企業の競合力のなさは、このあたりが原因となっていると思います。企業として、グローバルに競争したいのであれば、基本に戻って、要員の教育にコストをかけるべきです。ぜひ、企業トップには、原点に返って、人事考課を考え直してほしいと思います。(2010/04/16)

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「“裸”になれない上司は、いらない?」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

新人の問題は、結局、その上司たちの問題であり、そして、その上司たちの問題は、職場の問題であり、最終的には、トップの問題となると思います。一年を通じ、単に数字だけに責任を持たせる経営の仕方では、新人の教育など、好んでやるはずがありません。客観的に考えても、新人に限らず、要員の底上げは、組織の競合力の強化に必須であり、これをさぼると長い期間での凋落に繋がります。現在の日本の企業の競合力のなさは、このあたりが原因となっていると思います。企業として、グローバルに競争したいのであれば、基本に戻って、要員の教育にコストをかけるべきです。ぜひ、企業トップには、原点に返って、人事考課を考え直してほしいと思います。(2010/04/16)

議論・会話・対話の違いとその必要性を認識できました。若い直属の上司にとっては、余り自信のない自分の仕事感、人生観、価値観を新入社員と裸で対話する事は、自分の軽薄さ、軽率さを見透かされるようで、ある意味怖い事かもしれません。昨今、飲みに誘うとパワハラだの、セクハラだのとなかなか裸の付き合いがし辛い世相となってしまいました。昔、酒の飲めない私は、先輩につき合わされて、いやいや聞かされてい話が、時として大切な指標となっていることに驚かされています。対話の必要性をみなが理解し、気軽に誘い合って飲みに行ける社風の醸成も必要ですよね。(2010/04/16)

社内ではお局レベル?の事務職です。上司の度量のなさ、当事者意識の薄さ、プロ意識の低さに辟易していますがポジション的にも政治力的にも太刀打ちできず、利用されては歯噛みしています。結局今の管理職世代は結局働き盛りに不況を経験して保身に走ってる人も多いと思います。そこで若い世代がのびのび仕事できない姿を見て、爆発的にPCや携帯が普及した中で育ったジェネレーションギャップも加わって、まあ期待を胸に入ってきた新人はがっかりして当然だろうなあ。。。毎年初々しい新人を迎え入れ、いい意味でも悪い意味でも会社に馴染んでしまう姿を見ると嬉しいような寂しいような気になります。結局みんな、”仕事する機械”になっちゃってるのでしょうか。。。ああ閉塞感。(2010/04/15)

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長