ここ数日、今春に企業に入社した新人社員と数回にわたって接する機会があった。
大卒で80.0%という2000年以降では最も低い就職内定率を記録した昨年の就職戦線(厚生労働省・文部科学省調べ、今年2月1日時点)。その激戦を勝ち抜いてきた彼らの様子を伺うために、新卒社会人の研修に参加したり、彼らを集めて話を聞いたりした。
彼らに会って抱いた率直な印象は…。とても「元気」というものだった。
就職先が第1志望ではなかったとする人でさえも、「不安はある」と打ち明ける一方で、非常に前向きな姿勢を示していた。
社会人になって意気揚々としている彼らを「元気」などと形容することに対して、「当たり前だろう」と違和感を持つ人もいるかもしれない。だが、彼らの元気さは、私にはかなり意外だった。なぜなら、これまで講演会や研修、あるいはインタビュー調査などで接してきた新入社員は、概して「元気」がなかったからである。
中堅の社員が若手社員について、「真面目で言ったことはちゃんとやるが、それ以上のことをやろうという向上心が見られない」と評するのをよく聞いてはいたが、そんな彼らの“言い分”をすんなりと納得できるほど、これまで接してきた彼らは元気がない。「大丈夫かなぁ」と心配になってしまうくらいおとなしかったのだ。
中には、既に仕事に対してやる気を失っている新人社員の姿も見られた。「あーっ、これが最近の若者の傾向なのか」と残念に思うほど、若さゆえのエネルギーを感じることができなかった。
今年の新人が「元気」に思えた真の理由
元気だった今年の新入社員、元気のなかった昨年までの新入社員──。
実はこの両者には大きな違いがある。元気のなかった新入社員は、いずれも入社して3カ月以上が経過しており、今回会ったような入社したての新入社員ではなかったのである。
つまり、私が意外だと感じたのは、「何だぁ、最初は皆こんなに元気なんじゃん」という驚きからだったのだ。
なぜ、入社直後には意気揚々としている新入社員が、数カ月もたつとすっかり元気をなくしてしまうのだろうか?
少し乱暴な推察かもしれないけれど、実はどんな新入社員も意欲に満ちているのに、配属された職場が、彼らの前向きな気持ちを損なっているのではないか、と思うのだ。
いや、何もすべてを職場のせいにしようというわけではない。だが、職場にうまく適応できなかったことが、新入社員たちから“元気”を奪ってしまったんじゃないか。「いい人材がいない」と嘆く上司が多いけれど、いい人材になれる“金の卵”だったのに、現場に配属された途端、卵からかえることができなくなってしまっているのではないか、と。
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博士(Ph.D.、保健学)・東京大学非常勤講師・気象予報士。千葉県生まれ。1988年、千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。2004年、東京大学大学院医学系研究科修士課程修了、2007年博士課程修了。長岡技術科学大学非常勤講師、東京大学非常勤講師、早稲田大学エクステンションセンター講師などを務める。医療・健康に関する様々な学会に所属。主な著書に『「なりたい自分」に変わる9:1の法則』(東洋経済新報社)、『上司の前で泣く女』『私が絶望しない理由』(ともにプレジデント社)、『







