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第15回 もはや独立・起業は、働く人すべての問題だ

リクルート流、独立・起業の方程式とは

  • 武田 斉紀

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2010年4月26日(月)

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あと少なくとも5年、10年以上働く人へ

 今回と次回の2回で「独立・起業」をテーマにお話ししようと考えた。当初は、「よく生きるために働く」ための選択肢の一つとしてご紹介するつもりだった。だが、次回ご登場いただく識者との対談を通して、

 「もはや独立・起業は、働く人すべての問題なのだ」

 という認識に変わった。

 今日、明日の問題ではないので、近いうちに定年を迎えて悠々自適の生活が待っている方には関係のない話かもしれない。だがあと少なくとも5年、10年と働く人にとって、独立・起業はもはや“選択肢”の一つではなく、働くことの前提となるかもしれない。

 「そんな馬鹿な」と思われる読者が多いだろう。では、“独立”→“独立心”、“起業”→“起業家魂”としたらどうだろうか。そして、各企業の求人サイトに書かれている<求める人物像>と読み比べてほしい。企業側は、チームとしての協調性なども掲げながらも、“独立心”や“起業家魂”を持った人材を求め続けて久しいのだ。背景には、先の読めない時代を切り拓いていける人材への渇望感がある。

 第13回のコラムの冒頭でも書いたが、約20年前のバブル崩壊後に回復した採用市場では、すでに二極化が起きていた。新卒採用では、企業側は欲しい人材と、そうでない人材をよりわけた。そして定員数に満たなくても、前者しか採用しなくなった。筆者の言葉で言えば、相対採用から絶対採用の時代になったといっていい。

 リーマンショック後の現在は、さらに絶対採用が進んでいる。一定以上の採用基準に満たない人材は、勤める先がなくなりつつある。市場がアジアや世界にどんどん開かれる中で、この傾向はますます加速していくだろう。日本の経済成長に対し、海外からも流入してくる人材を想像してもらえばいい。働きたいポストの椅子取り合戦は始まっている。

 では雇用される側はどうすればいいのだろうか。簡単にいえば、企業側から欲しがられる人材になることだ。それも以前と違って、1社だけではなく、複数の会社から。市場原理を考えれば当然で、選択肢の多い方が有利になる。簡単に言ってしまったが、現状から「企業側から欲しがられる人材になる」ことは簡単ではない。となれば、今すぐにでも準備にかからなければならない。

“独立心”と“起業家魂”を磨くことの価値

 <求める人物像>の話に戻る。企業側が広く求めている要素は、先程あげた“独立心”や“起業家魂”以外にもあるだろう。しかし、この2つを磨いておけばどうだろうか。

 “独立心”や“起業家魂”を磨いておけば、いざとなれば“独立”や“起業”をもめざすことができる。“独立”“起業”というとかっこよく聞こえるが、雇ってくれるところがどこにもなくなったら、生きるために何か商売を始めるしかない。自分にできることをやって、何とか金を稼ぐ。その際に、“独立”や“起業”の覚えが少しでもあれば、ないよりよほど心強い。

 独立・起業の経験者は、“独立心”“起業家魂”と、“独立”“起業”は別物だというかもしれない。私も経験者だからわかるが、確かに両者は別物だ。だが、私にとって新卒で入社したリクルートという会社で、“独立心”や“起業家魂”を磨く期間がなかったら、恐ろしくて“独立”も“起業”もできなかっただろうと確信する。

* * * * * * * * * * * * * *

 今回のコラムシリーズ「武田斉紀の『よく生きるために働く』」で、これまでに取り上げてきたテーマを以下にご紹介します。

 雇われて働く社員の方、個人としての生き方を模索している方には、今後の生き方を考えるための視点として。また経営者や管理層の方には、会社を運営していくうえで、社員が生き生きと働くための、また業績向上のためのヒントとしてご活用ください。

【これまで取り上げたテーマ】

第1回 子どもに「大人はなぜ働くの?」と聞かれたら

第2回 「どんな仕事にもやりがいは見つかる」は本当か?

第3回 仕事の「やりがい」と「生きがい」は別?

第4回 仕事の「誇り」の見つけ方

第5回 「あなたの替わりならいくらでもいる」

第6回 明日クビになったらどうします?

第7回 【続編】明日クビになったらどうします?

第8回 あなたはオンリーワンの自分に気づいていない

第9回 あなたのキャリアをA×B=スペシャルCに変える

第10回 【後編】あなたのキャリアをA×B=スペシャルCに変える

第11回 「私の履歴書には専門性がありません!」

第12回 変化の時代を生き抜くための「5つのスキル」

第13回 【後編】変化の時代を生き抜くための「5つのスキル」

第14回 いま“愛社精神”が日本を救う

コメント11件コメント/レビュー

日経BPさんで4/14に掲載されていた「謎の“未公開株市場”が台湾の未来を創る」これを読めば「なぜ企業家が少ないのか」がよく分かります。銀行依存、すべてを担保に取られ、失敗したら身包み剥がれる。食も家も蓄えもすべてを奪われるわけです。精神論も必要でしょうが、このような投資風土こそを問題視すべきではないんですかね。(2010/04/29)

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日経BPさんで4/14に掲載されていた「謎の“未公開株市場”が台湾の未来を創る」これを読めば「なぜ企業家が少ないのか」がよく分かります。銀行依存、すべてを担保に取られ、失敗したら身包み剥がれる。食も家も蓄えもすべてを奪われるわけです。精神論も必要でしょうが、このような投資風土こそを問題視すべきではないんですかね。(2010/04/29)

日本「企業側は、チームとしての協調性なども掲げながらも、“独立心”や“起業家魂”を持った人材を求め」ていながら、「その人材を活かす気は無い」ところが9割を超えるのが今の状況だと思います。今の日本企業ではそういう人材をわざわざコストをかけて飼い殺しにしているだけでしょう。 日付で言うと3年前になりますが、独自に調査して3D映像機器の事業を収益を得る方法まで込みで当時居た会社に提案しましたが、さっぱり理解しようとせず、動かなかったその会社は3D関連に完全に出遅れています。3Dを体験できるサンプルまで(私費で)作ったんですが、3D体験した後でもうじうじ言ってるだけで要領を得ず。今の日本ってこんな会社ばっかりでしょう。たった2年先にムーブメントが来ることが予感できない鈍った感性。これでは人材を活かせる事無く沈むだけでしょう。(2010/04/28)

基本的な考え方は、大賛成です。企業に勤めていようと、起業の精神がないと今の世の中では、会社も非常に苦しくなります。どんどん、ビジネスも社会も変わって行っているため。ただ、現実、終身雇用を前提で入社している社員に、起業家精神を持てと言っても非常に難しいと思います。現実にそうさせるには、退職年齢の早期化が最もよく効くと思います。例えば、50歳で定年としてしまえば、年金受給までの15年間、自前で稼がないといけなくなるので、社員は、起業できるよう、定年まで、必死に、自分のスキルをつけようとします。一方、現状は、60歳定年であり、年金受給まで5年であり、危機感がないため、50歳を超えると、新しい挑戦をしなくなります。所謂、老害です。これが、日本の企業の停滞を招いている元凶だと思われます。定年延長など、とんでもありません。ぜひ、日本を活性化させるため、自律的なアクションが起こるような提案をお願いしたいと思います。(2010/04/27)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長