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episode:52
「社長という仕事と、それ以外の仕事はほとんど共通点がない。」

  • 阿川 大樹

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2010年4月27日(火)

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前回までのあらすじ

老舗 大日本鉄鋼の3人だけの部署、第三企画室は新会社オルタナティブ・ゼロとして独立した。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)は社長、風間麻美(かざまあさみ)は第三企画室室長、楠原弘毅(くすはらこうき)は次長だ。風間のプロジェクトは、オートバイの整備をするガレージ村。バッテリーのメンテナンス講習会は当日を迎えた。

【登場人物の紹介はepisode:zeroをどうぞ】

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 なんてことだ。進藤英俊と仕事をすることになるなんて。

 まさか仕事の上で「昔の男」と再会するとは思ってもみなかった。

 大日本鉄鋼で普通に仕事をしていれば、カメラマンと仕事をすることなどあり得なかった。同じ会社のどこかの誰かは関わっているはずだが。いや、たとえ広報でも宣伝でも、代理店任せで、直接にカメラマンを雇う仕事はしていないかもしれない。

 こんなことで社長の重圧を体験するなんて、ほんとに笑える。

 もちろん正確にいうなら自分は社長ではない。ガレージ村はまだ会社になっていない。

 茅ヶ崎南製作所への発注も、堂本さんや佐藤さん、あるいは花村利恵へのギャラの支払いも、すべてオルタナティブ・ゼロが行っている。

 しかし、いま、自分がやっている仕事は、「ガレージ村を事業化することに関するすべてのこと」だ。

「つまり、それが会社なら社長ってことだ」

 旭山さんは言った。

 もちろんやがては会社にするのだから、形はどっちでも同じことだ。

「28歳で社長として経営のことを考えているなんて、すごいことなのかもしれないな」

 はじめのうち、わたしはちょっとした気負いもあってそう思った。

 でも、すぐに思い直した。28歳で経営のことを考えるのがスゴイのは、大日本鉄鋼という重厚長大企業の基準でしかないと気づいたからだ。

 商店街の文房具屋の息子も八百屋の息子も、高卒だろうが大卒だろうが、店を継いだ瞬間に、もう経営のことを考えている。

 仕入れのタイミングと資金繰り、品揃え、適正な在庫と大量購入によるコストダウンのバランス。

 どれほど数値化して意識するかしないかの差はあるにしても、商売をやっている人間なら、だれだってそのくらいのことを考える。しかし、大企業の社員でそれを考えているのはごく一部の人間でしかない。

 大日本鉄鋼にいたら、財務部門にいないかぎり、60歳を過ぎて社長になるまで銀行に事業計画を説明して融資を頼むようなことはないかもしれない。でも、壊れたシャッターを更新するくらいのことでも、町の商店主なら、同じ事を20歳だろうが30歳だろうがすることになるのだ。

 上場企業は4000社ほどしかない。けれど日本に会社は140万社ある。個人商店はもっとある。会社の数だけ社長がいて、みな、事業を始め、伸ばしていくために、あるいは生き延びるために、日夜、あらゆることに心を砕いている。

 つくづく思う。ガレージ村の仕事を動かし始めてて、急に必要な人材の種類や、出会う人の種類が増えた。

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