「ケータイユーザーの「トリセツ」」

【最終回】ケータイユーザーは、会社のムダを省いてくれる

サイト運営の“羅針盤”はカスタマーセンター

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2010年5月13日(木)

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 ケータイサイトとユーザーにまつわる裏話を書いてきたこのコラムも、今回が最終回になります。連載中は読者の皆様から、たくさんのコメントをいただきました。賛同でも異論でも、反応があると言うのは嬉しいものです。ユーザーの方々のご意見を伺う、いい機会となりました。感謝申し上げます。

 さて、これまでの5回では主にケータイユーザーの特徴に重心を置いて紹介していたので、「そういうユーザーが多いのは分かったけど、じゃあ企業としてはどう対応するかが問題なんじゃないの?」という趣旨のご意見がいくつかありました。今回はその部分、ユーザーの特性を踏まえたうえで「企業が心がけるべきこと」について、自分の経験も交えながらお話したいと思います。

ケータイサイトはブルーオーシャン

 「会員数が1人増えると、売り上げが1万円伸びる」――。

 私(吉田文儀)が社長を務めるクロス・コンセプト(大阪市)は、企業のケータイサイト制作やカスタマーセンター運営を行う会社です。

 我々が手がけるサイトの1つに、上記の法則が見られます。このサイトでは、ケータイからの誘導だけで年間売上高の1割以上に達しているとのことです。ケータイサイトの市場は、まだまだブルーオーシャン。様々な業界がありますが、いち早く取り入れた企業が一人勝ちしているような状況です。

 そうした成功を知ってのことでしょう。今、後に続けと言わんばかりに、各社がこぞってケータイサイト制作に乗り出しています。こうした動きに乗じた形で、我々の同業者も増えてきました。

 しかし、ただケータイサイトを作れば、ただメルマガを発信すれば、ただ会員数を増やせばいいというものではありません。会員を満足させて、購買行動につなげていく。この活動は、そう容易くありません。

 我々のビジネスを見ても、今まではサイトの作成や運営に役立つツールを売っていました。いわゆるコンテンツ・マネジメント・システムというものです。しかし、それは既に飽和状態にあり、値下げ競争が激化しています。これからは、もう一歩踏み込んで、ツールを使ってどうサイトを運営するのか、が重要となります。

 サイト運営の羅針盤となるのが、企業が今まであまり目を向けなかった、向けたくなかった部門――マーケティングのためのカスタマーセンターです。

 ここで、1つ、質問させてください。「カスタマーセンター」と聞いて、何を思い浮かべますか?

 困っている人を的確に誘導して感謝されることもあるけれど、自分が作ったわけではないサイトに対して怒りの声を投げかけられることも多々。どうすることもできず、歯がゆい思いをしながらひたすら平謝り。クレーマーの対応に追われて精神的に疲れてしまう人も多く、離職率は高め・・・。

 もしこんなイメージを持っていたとしたら、我々のカスタマーセンターは「全く違う」と言って差し支えないでしょう。同業の方が視察に来ると必ず驚かれるのですが、自分から辞めていった人はサービス開始以来いませんし、「ストレスフリーな職場」であることが自慢です。

 なぜそんな環境を実現できるかというと、カスタマーセンターのスタッフが自分たちのことを、単なる問い合わせやクレームの窓口(それも重要な役割ではありますが)だけではなく、「マーケティング部門」も兼ねていると捉え、ケータイユーザーのお手伝いを通じて集客に貢献していることに「やりがい」を持って働いているからです。

 一般の企業では、カスタマーセンターは軽視されがちです。面倒で辛い部門だと思われています。しかし、実はケータイユーザーのカスタマーセンターは、顧客の声を拾い上げて会社の仕組みを改善するための大切な部門なのです。

1人1日1000通超の対応が可能

 我々が運営するカスタマーセンターについてご説明すると、メールサポートが主であることが特徴です。

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著者プロフィール

吉田 文儀(よしだ・ふみよし)

クロス・コンセプト代表取締役。1954年生まれ。79年に米ハワイパシフィック大学経営工学部中退後、米半導体商社などを経て、94年に産業機器用コンピューターを手がけるために独立。そこでケータイサイトを中心としたソフトウェアやシステム開発を行うようになり、2009年6月にクロス・コンセプト(大阪市)を設立。飲食店、ドラッグストア、ファストフードチェーン、食品販売、ゴルフ場などのケータイサイトに関するシステム開発やカスタマーサポートセンター(Webコンシェルジュ)運営を受託し、合計で数百万人というケータイサイト会員を抱える実績を持つ。

飛田 恵美子(ひだ・えみこ)

フリーライター。1984年生まれ。2006年に明治大学政治経済学部を卒業後、地域新聞を発行するタウンニュース社に入社。町の著名人へのインタビューやお祭りのパンフレット制作を行う。2008年に退職後、映画作品の分析評価や教育系フリーペーパーの編集補助の仕事に携わる。



このコラムについて

ケータイユーザーの「トリセツ」

携帯電話の進化が著しい。通話だけでなく、メールやショッピング、テレビ、おサイフなど、様々な場面で使われている。既に1人1台が当たり前となったケータイによって、新たな企業と消費者の接点が生まれた。これまでになかったコミュニケーションツールの登場は、消費者の購買に関する意識や行動に何らかの影響をもたらすはずだ。そこで、ケータイユーザーからカスタマーセンターに寄せられる問い合わせやクレームなどを通じて、今どきの消費者の行動を探るとともに、顧客対応のあり方についてヒントを提供する。

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