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「三十貨店」では魅力がなくて当然でしょう

間違いの始まりは「選択と集中」にあった

2010年5月14日(金)

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 本連載のタイトルは、「百貨店が復活する日」です。

 え、復活するわけないだろうって?

 左様、現在、百貨店を取り巻くニュースは酷いものばかりです。有楽町で、池袋で、吉祥寺で、京都でと大消費地の店舗が続々と潰れ、リストラをやむなく慣行し、けれども日本の国内消費が一向に回復しないので、どの策も焼け石に水。

 ああ、かつて流通の王として君臨した百貨店はもはや見る影もない。

 けれども、涼しい顔で「百貨店、復活できますよ」とおっしゃる方がいらっしゃる。それが本連載に登場する松岡真宏さんです。

 松岡さんは1990年代から2000年代前半にかけて、外資系証券会社にてナンバーワン流通アナリストとして広くその名が知られていました。切れのいい分析力と何より流通業界に対する深い愛情が買われ、産業再生機構に参加、ダイエーの建て直しのチームに加わり、自ら現場の店頭に立って陣頭指揮にも当たり、ダイエーの再生が一段落したのち、現在では企業再生とM&A(合併・買収)を専門とするコンサルティング会社であるフロンティア・マネジメント(東京都千代田区)の代表取締役を務めています。

 流通業を、アナリストとして、コンサルタントとして、企業再生の経営陣の1人として経験してきた松岡さんの「百貨店復活」のあっと驚くお話、それではお聞きいたしましょう。

画像のクリックで拡大表示

 ―― 松岡真宏さん、「百貨店が復活する」とおっしゃいますが、現状を見るとぼろぼろです。

 最近では、伊勢丹吉祥寺店が閉店し、西武有楽町店も2010年12月の閉店が決まりました。とても復活するとは思えないのですが?

画像のクリックで拡大表示

松岡 真宏(以下、松岡) 確かに、百貨店の業績は極めて悪い。でも、なぜ悪いのか、その理由がちゃんと説明されていません。日本の消費市場が冷え込んでいるから、と一言で片付けられていますね。

 本当にそうでしょうか。1990年のバブルピーク時の日本の消費支出と2006年とを比較すると、1990年100に対して、2006年は95。たった5%しか落ちていません。となると、百貨店がこれだけ苦境に陥る理由としてはいささかパンチが足りません。

日本はアメリカよりファッションに消費しない

―― じゃあ、何が百貨店を苦境に陥れたんですか?

松岡 ここに面白い数字があります。同じく1990年の日本の消費支出のうち、衣料アパレルの消費は何%を占めていたか? 7.4%です。それが2006年になると、なんと4.3%まで落ち込む。1990年の衣料アパレル消費を100とすると、2006年の消費は55。この20年近くで、日本人のファッション市場は金額ベースで半分になってしまったのです。

  • 消費支出に占める割合
  • (単位:%)

  食料 衣料 住居・光熱 家具・用品 保険医療 交通・通信 教育 娯楽
1990年 25.4 7.4 10.3 4.0 2.8 9.5 4.7 9.7
1991年 25.1 7.3 10.6 4.1 2.8 9.3 4.3 9.6
1992年 24.7 7.0 11.0 3.9 2.8 9.3 4.6 9.8
1993年 24.3 6.7 11.3 3.7 2.9 9.9 4.5 10.0
1994年 24.1 6.3 12.0 3.9 2.9 9.8 4.7 9.9
1995年 23.7 6.1 12.5 3.8 3.0 10.0 4.7 9.6
1996年 23.4 5.9 12.9 3.7 3.1 10.6 4.5 9.9
1997年 23.5 5.8 13.0 3.6 3.2 10.4 4.6 9.9
1998年 23.8 5.5 12.6 3.6 3.4 10.6 4.5 9.9
1999年 23.7 5.4 13.0 3.6 3.5 10.7 4.2 10.3
2000年 23.3 5.1 13.3 3.5 3.6 11.5 4.4 10.1
2001年 23.2 4.9 13.3 3.6 3.8 11.8 4.2 10.1
2002年 23.3 4.7 13.4 3.4 3.8 12.0 4.2 10.1
2003年 23.2 4.6 13.6 3.4 4.1 12.4 4.3 9.9
2004年 23.0 4.4 13.3 3.3 4.0 12.9 4.4 10.2
2005年 22.9 4.4 13.6 3.3 4.3 12.9 4.2 10.2
2006年 23.1 4.3 13.7 3.3 4.3 12.8 4.3 10.2

出所:総務省『家計調査統計』よりフロンティア・マネジメント作成

コメント19件コメント/レビュー

要するに、ドメインを間違えた、と。ドメイン定義の間違いは失敗した企業の典型なのかもしれません。読んでいて思ったのは、?衣料品にお金を使わないこと自体は良い事だと思います。バブル期が異常だったわけで、元々質素で勤勉を良しとする日本人の長所が戻ってきた、と見る事も可能だと思います。虚飾より勉強等に金を使う方が良いに決まってます!?食品との比較で考えると、中国で頑張って経営努力して原価を下げたアパレル企業と、国内で規制や補助に守られて改善努力を怠った食品製造事業者(いわゆる農家)との差が出た、と見る事も出来ると思います。?今後やってくる少子高齢化+人口減少時代を考えると、今から相当用意周到に業界の変革を行う必要があると思います。(2010/05/17)

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「「三十貨店」では魅力がなくて当然でしょう」の著者

松岡 真宏

松岡 真宏(まつおか・まさひろ)

フロンティア・マネジメント代表取締役

野村総合研究所、バークレイズ証券、産業再生機構などを経て、2007年にフロンティア・マネジメントを設立。経営コンサルティング・M&A・事業再生を軸に経営支援を行っている

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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要するに、ドメインを間違えた、と。ドメイン定義の間違いは失敗した企業の典型なのかもしれません。読んでいて思ったのは、?衣料品にお金を使わないこと自体は良い事だと思います。バブル期が異常だったわけで、元々質素で勤勉を良しとする日本人の長所が戻ってきた、と見る事も可能だと思います。虚飾より勉強等に金を使う方が良いに決まってます!?食品との比較で考えると、中国で頑張って経営努力して原価を下げたアパレル企業と、国内で規制や補助に守られて改善努力を怠った食品製造事業者(いわゆる農家)との差が出た、と見る事も出来ると思います。?今後やってくる少子高齢化+人口減少時代を考えると、今から相当用意周到に業界の変革を行う必要があると思います。(2010/05/17)

アパレル、特に女性用ブランドの凋落は、未婚者が増大していることが大きいと思います。かつては、デートして、男性が女性に洋服やアクセサリーをプレゼントしたりしていました。それができることが、また、経済力あり、結婚できる男性であることの証明でありました。しかし、現在は様々な理由があり、彼氏彼女いない人が増加しています。そこで、男性は、今は、昔と違って、恋人や妻のために使ったお金を自分のために使っているのです。現在、オタクと言われている男性が増えているが、彼らは、家電系のお店で電化製品は買うが、ファッションには興味がないため、人のためにはもちろん、自分のためにも、買わない。誰もがデートして、男性は女性のためにお金を使い、そして、結婚したら、今度は家族のために使うという前提があった時代に強かった産業、例えば、不動産や車も凋落しています。逆に、独身男性に強い産業は、過去に比べて、売り上げを伸ばしています。それが、家電(パソコン、高級テレビなど)やアニメ関係の産業だったりします。だから、百貨店など、旧来の産業の復活には、未婚率を下げるのが最もよいと考えます。とにかく、これから、ますます、結婚する人も子供も減るので、家族で成り立っていたような産業は非常に苦しくなると思います。(2010/05/16)

有楽町西武で買ったクッキーやケーキは評判がよかった。観劇のときはいつも阪急の地下でお弁当やおすしを買った。コンビニも少なかったし当時から持ち帰り時間やおはしの数を聞いてくれたりして親切だった。ある日突然西武も阪急も男と子供は客ではないと判断して全館をファッションビルに変えた。以来20年買うものがなくなって2度と足を踏み入れずJR有楽町ではめったに下りなくなった。今は時間がない時はエキナカ、目的があるときは改装のおわった大丸に行く。きびきびしたエキナカと生き残った老舗の親切さは上京してきた人へのお土産を買うにも中身を確かめる必要がない。  選択と集中の結果若い女性以外は客ではないと考え、蓄積したサービスと商品知識がベテランとともに散逸されてしまった以上復活するのは簡単ではないだろう。量販店で買えないものはサービスを継承できている老舗でしか得られないのだから。(2010/05/14)

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