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第31話「それがムダなコストかどうかは顧客の目線で判断すべきなんです」

2010年5月12日(水)

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これまでのあらすじ

 ヒノハラの創業者で前社長の日野原五郎から合計9億円の小切手を手渡された団達也は、当面の資金繰りにメドが立ったことから、ヒノハラの再建に向けて本格的に動き出した。

 監査役で会計士の西郷幸太を交えて行った役員会議で達也が述べた再建案とは、短期、中期、長期の3つに分けて行うものだった。

 達也は短期に実現すべきはキャッシュフローの確保であり、利益の確保ではないと言った。そして具体策として示したのが、「すべての費用の削減と、運転資本の最適化」だった。

 これまで「在庫利益」という考え方で、赤字になりそうだったら在庫を増やせばいいと考えていた日野原太郎は、達也と西郷からなぜ在庫を減らすべきなのかの説明を聞き、営業にも会計の知識が必要なことを初めて実感した。

ヒノハラ

 「運転資本の最適化の次がコスト削減だ。でも、ただコストを削減すればいいのではないんだ」
 
 「価値を生まないコストを注意深く削るのですね」
 達也の言葉に続けて真理が言った。

 「その通り。じゃあ太郎さんに質問しますよ。価値を生まないコストってなんでしょうか」

 太郎はしばらく考えてこう答えた。
 「ムダなコストのことですか」

 「では、それは誰にとってのムダだと思いますか」
 達也は立て続けに質問を投げかけた。

 「製品を作る側です。ムダが増えれば会社は儲からなくなりますから」
 
 だが、達也は大きく頭を左右に振った。

 「そうではないんですよ。すべてのコストというのは、製品やサービスを購入する顧客、つまり最終の消費者が負担するものなんです。だから、顧客の目線で判断すべきなんですよ。ボクたちは、消費者にムダなコストを負担させてはいけないんです」

 それは、太郎の頭の中で引っかかっていたわずかな疑問が氷解した瞬間だった。

上海

 ジェームスはソファーに腰を下ろすなり興奮気味にリンダに言った。上海には万国博覧会を見に、連日10万人を超える来場者が押し寄せている。ただでさえ人が多いのに、街中が人であふれ返り、活気にあふれている。

「「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第31話「それがムダなコストかどうかは顧客の目線で判断すべきなんです」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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