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英語の議論で“勝つ”ための3つの技術

発音がきれいでも、説得はできない

2010年5月14日(金)

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「経営レンズ箱」はこちら(2006年6月29日~2009年7月31日まで連載)

 2006年から、自社のグローバル経営会議(Executive Committee)のメンバーを務めている。メールや電話での個別のやりとりは別にして、メンバー全員が出席する正式な会議は、2週間に1回程度のテレフォン・コンファレンス(電話会議)と、2カ月に1回4~5日かけて議論をするリアルでの会議だ。

 経営陣自体の視野を広げ、現地の政府・企業の方々との議論の機会もできるだけ増やすという考え方から、リアルでの会議は世界各地持ち回りで行われる。この1~2年も、ロンドン、フランクフルト、サンフランシスコ、シドニーといった辺りは当然として、モスクワ、ドバイ、サンパウロといった新興国の都市にも積極的に出かけてきた。

 特に新興国では、当然ながら、経営会議のメンバーも、そのすべてについて現地事情に通じているはずはないので、会議の機会に自分の目で現地を見て、実際に様々な人と議論することが、半強制的な経営陣への教育の機会にもなっている。「百聞は一見にしかず」というのは、ICT(情報通信技術)時代の現在でも正しい部分があって、私自身、新たな場所に行って議論する度に、いろいろなことを学ばせてもらっている。日本からだと、時差がきつい地域がほとんどなのだけは、参ってしまうが・・・。

「英語っぽい」でも戦える

 さて、現在のメンバーの国籍は10カ国に上る。以前にも、異文化マネジメントという観点から、経営会議で感じたことを少し書いたことがあるが、その頃よりもさらに国籍の多様化は進んだ。文化も母国語も様々な仲間と一緒に経営に携わるというのは、なかなかおもしろい経験だ。

 恥ずかしながら「紺屋の白袴」で、普段からクライアント企業の経営者の方々と、経営のグローバル化について議論している割に、実際にグローバルな経営チームの中で働いてみて、初めて実感できることは数多い。

 今回は、その中でも「英語」について少し触れてみることにしたい。具体的には、経営会議の場で意見を戦わせて会社全体の方針を決定する際に、自分の意見を通したり、他人の意見と組み合わせたりすることで、1+1>2となるように貢献する。そういった「英語による議論の技術」に近い話である。

 ひとつ、お断りしておかなければならないのは、今回の内容は、あくまで私の英語能力の程度に応じたものでしかない、ということだ。もっとハイレベルの英語能力を有する方々は別の感覚をお持ちかもしれない。この点、ご寛恕いただきたい。

 私個人は、帰国子女でも、バイリンガルでもない。たまたま、大学時代は米文学を専攻したので、普通より少し多めに、英語の読み書きのトレーニングを受けたとは思うが、恥ずかしながら、(当時の)「正しい大学生のあり方」を貫徹し、4年間遊び呆けていたので、「そこそこ」レベルに達したに過ぎない。英語力の中核は、中学・高校時代の受験勉強、特に英文和訳や和文英訳といった「ヨコのものをタテに、タテのものをヨコに」する翻訳の基礎で身についたものが中心だ。

 英語圏に住んだのも、30代半ばでのビジネススクール留学が初めてのことだった。ビジネススクールに留学したことで、受験英語に加えて、「英語での議論の技術」をほんの少しだけ習得する機会を得た、というのが正直なところだろう。

 このレベルの英語力で、経営会議の場で、すべて英語での真剣勝負の議論というのは、なかなかきついものがある。一部の会社の取締役会のように、事務方が中身を用意し、根回しも済ませた案件について、しかも日本語で議論する、というのとはワケが違う。

 アジェンダは決まっていても、論点の設定から結論についての合意形成に至るまで、会議期間中、その場その場で徹底的に議論し、意思決定を繰り返していく。また、そのプロセスへの参画と貢献で、自分自身への仲間からの評価も決まっていく。

 10人強の投票権を持つメンバーそれぞれは、いわば知的格闘技であるコンサルティングの仕事の中で、それなりに勝ち上がってきた猛者ばかりだ。彼ら彼女らが、担当地域・領域の現場実態を背景に、自分自身の意思と意見を強固に持ち、お互いへの信頼感や尊敬が保たれるぎりぎりの線でせめぎ合う。これはなかなか見物(みもの)で、最初のうちは、参加することを忘れて、議論のダイナミズムに思わず聞き惚れてしまったことさえあるくらいだ。

 こんなことを何年かやってきて感じたのは、(少なくとも我々の経営会議のような場では)日本でよく言われる“英語ができる”というのとは、少し違った能力が求められる、ということだ。

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「英語の議論で“勝つ”ための3つの技術」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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