• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

もはや自主マーチャンダイジング力なんてない

「情報のフラット化」で窮地に立つバイヤー

2010年5月21日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(「『三十貨店』では魅力がなくて当然でしょう」から読む)

―― 前回は、現在の百貨店が苦境に陥っているのは、品揃えを衣料アパレルに特化したところに衣料デフレが直撃した結果であるという松岡真宏さんの分析をお聞かせいただきました。では、百貨店は、どんなふうに自分たちの業態の強みを考えていたのでしょうか?

松岡 真宏(以下、松岡) 百貨店は、自分たちのことを「自主マーチャンダイジングで店舗を設計できる小売業態」と思っていたんですね。おそらく今も多くの百貨店関係者がそう認識していることでしょう。

 自主マーチャンダイジングとは、商品の品揃えを社員のバイヤーが決めていくことです。その多くが呉服問屋からスタートした百貨店にとって、自分たちの眼鏡にかなった商品をセレクトしたり、あるいは発注して作らせたりする、といった自主マーチャンダイジングという仕事のやり方は、DNA(遺伝子)のようなもの。ゆえに「自主マーチャンダイジングできる小売り=百貨店」と信じてきましたし、そこに誇りを持っていました。

バブル景気がアパレル志向を強めた

松岡 ところが、1970年代以降、日本の経済がピークに達し、高度成長期が終わり、消費が多様化すると、百貨店の自主マーチャンダイジング路線は揺らぎ始めます。それぞれの商品分野で専門店のほうが市場のニーズを捉えたよりきめ細かな品揃えができるようになっていったからです。

 百貨店は、家電やカメラなど比較的不得手な分野から順番に切り捨てていき、1980年代半ばには商品アイテムを最初から衣料アパレルに絞った西武有楽町店や阪急有楽町店などが登場しました。いわゆる「五十貨店」「三十貨店」路線です。

画像のクリックで拡大表示
画像のクリックで拡大表示

―― なぜ、その時点で間違いに気づかなかったのですか?

松岡 バブル景気があったからです。幸か不幸か、1980年代後半、日本は円高景気のバブルに突入し、ブランドブームが起きました。海外の高級アパレルを取り揃えた百貨店の売り上げは伸び、結果として、アパレル志向をますます高めていくことになったのです。

 しかし1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本のアパレル市場は金額面で衰退の一途をたどっています。購入点数はそう変わらないかもしれませんが、単価は大きく下がっています。この結果として、生活者の消費支出に占める割合が、1990年には7.4%だったのが、2006年には4.3%と半分近くにまでなってしまった。

  • 消費支出に占める割合
  • (単位:%)

  食料 衣料 住居・光熱 家具・用品 保険医療 交通・通信 教育 娯楽
1990年 25.4 7.4 10.3 4.0 2.8 9.5 4.7 9.7
1991年 25.1 7.3 10.6 4.1 2.8 9.3 4.3 9.6
1992年 24.7 7.0 11.0 3.9 2.8 9.3 4.6 9.8
1993年 24.3  6.7 11.3 3.7 2.9 9.9 4.5 10.0
1994年 24.1 6.3 12.0 3.9 2.9 9.8 4.7 9.9
1995年 23.7 6.1 12.5 3.8 3.0 10.0 4.7 9.6
1996年 23.4 5.9 12.9 3.7 3.1 10.6 4.5 9.9
1997年 23.5 5.8 13.0 3.6 3.2 10.4 4.6 9.9
1998年 23.8 5.5 12.6 3.6 3.4 10.6 4.5 9.9
1999年 23.7 5.4 13.0 3.6 3.5 10.7 4.2 10.3
2000年 23.3 5.1 13.3 3.5 3.6 11.5 4.4 10.1
2001年 23.2 4.9 13.3 3.6 3.8 11.8 4.2 10.1
2002年 23.3 4.7 13.4 3.4 3.8 12.0 4.2 10.1
2003年 23.2 4.6 13.6 3.4 4.1 12.4 4.3 9.9
2004年 23.0 4.4 13.3 3.3 4.0 12.9 4.4 10.2
2005年 22.9 4.4 13.6 3.3 4.3 12.9 4.2 10.2
2006年 23.1 4.3 13.7 3.3 4.3 12.8 4.3 10.2

出所:総務省『家計調査統計』よりフロンティア・マネジメント作成

コメント3件コメント/レビュー

とりあえず「場の力」の分析に期待。(2010/05/21)

「百貨店が復活する日」のバックナンバー

一覧

「もはや自主マーチャンダイジング力なんてない」の著者

松岡 真宏

松岡 真宏(まつおか・まさひろ)

フロンティア・マネジメント代表取締役

野村総合研究所、バークレイズ証券、産業再生機構などを経て、2007年にフロンティア・マネジメントを設立。経営コンサルティング・M&A・事業再生を軸に経営支援を行っている

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

とりあえず「場の力」の分析に期待。(2010/05/21)

倉廩満ちて礼節を知る。衣食足りて栄辱を知る。しかし、政治サービスの手抜きが続いた結果栄辱を軽視する風潮が生まれ、それが服飾費を節約につながったともいえると思います。家計上では削りやすい項目ですし。(2010/05/21)

もったいぶらずに、早く答えを教えてくださーい。(2010/05/21)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長