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MBAで磨かれたのはコミュニケーション力だった

第7回 父が褒めたアメリカへの留学と卒業

  • 永守 知博,中西 未紀

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2010年5月26日(水)

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 父である日本電産社長の永守重信が、今までに褒めてくれたことは「3度しかなかった」と、息子の永守知博は振り返る。

 「1度目は大学院時代に学会で賞をもらったこと。2度目はアメリカのMBA(経営学修士)へ入学した時、3度目は卒業した時です。私がやることで父が本当に喜んでくれるのは、『自分ができなかったこと』をやった時だけですから」

 永守重信は日本電産を創業して、精密小型モーターの分野で世界トップシェアを握るまでになった。永守も2009年4月に起業、製造業向けポータルサイト「Makers-IN」の運営などを手がけるエルステッドインターナショナル(神奈川県川崎市)の社長を務める。「今の会社をこれからいくら大きくして、日本電産以上の規模にしたとしても、『お前は環境に恵まれていたからだ』と言うかもしれませんし、私もそう思います」。

永守知博・エルステッドインターナショナル社長。米サフォーク大学にMBA留学した時に身につけたコミュニケーション力が、製造業向けポータルサイト「Makers-IN」などの営業で物怖じしない姿勢につながっている(写真:大槻純一)

 父には永守重信のような父はいなかったが、自分には永守重信という大きなプロデューサーがいてくれるおかげでビジネスをやりやすい環境があるという感謝がある。同時に、どれだけ巨大企業を作ったとしても、そもそもの基礎を作ってくれたのは父であってビジネスの世界で生きていくうえでは永遠に父親を超えることはできないという思いもある。「会社を大きくすることが、最大の社会貢献であり、親孝行である」と永守は考えている。

 そんな父が憧れていたのがアメリカだった。曰く「ビジネスのことも、アメリカがすべて教えてくれた」。2003年5月、永守のアメリカにおける留学生活は始まった。

教育は最大の“投資”である

 そもそも、永守はアメリカで何を学びたかったのか。

 「何かを勉強したいというより、とにかく『アメリカのビジネスを見たい』と思ったんですよね。かと言って、“遊学”というわけにはいかないし、語学留学もどうだろう。だったら、マネジャーになるためにもMBA(経営学修士)を目指せばいいんじゃないかということで決めました」

 勤めていた富士通は2002年3月末に退社、留学は翌年の9月からを目標とした。1年半という期間は、思ったほど時間がなかった。出願は2002年11月だから、7~8月までにTOEFLで高い点数を記録しておかなければならない。

 すなわち、実質3カ月間というわけだ。元住吉の安アパートに下宿しながら、予備校へ通った。徹底的に英語のヒアリングを強化し、必死で勉強する永守をまた腸閉塞の悪夢が襲う。だが、今回ばかりは入院している暇はなかった。

 そもそも入院しても根本的な治療法はなく、安静にするしかない。それまでに永守がかかった医者によると、原因はメスを入れてみなければ分からず、メスを入れれば再発の可能性が高まるという説明だった。今までの経験上、腹の激痛も耐え続ければいつか治まる。目の前のMBAという目標に向かって、やらなければならないことは山のようにあった。

 短い期間だったが、ひた走った予備校時代。苦楽を共にした仲間たちは、今も大きな存在である。中には永守が興した会社の株主として、今、応援してくれている者もいる。

 大学の推薦文は、大学で世話になった教授と富士通時代の先輩に書いてもらった。留学費用に関しては、父が「それはもう出したるわ。教育は最大の“投資”だから」と言ってくれた。もっとも、「税金もかからないし」と付け加えるところが“らしい”。

 後は試験に通るのみである。TOEFLに加えて、多くのビジネススクールが課している分析的思考力や数学的能力を測るGMATを受けた。

コメント1件コメント/レビュー

面白い。この人はほんとに野太いひとだと思う。昔はこういった方が多かったのかも知れませんが、今はあまりお見受けしないように思います。(2010/05/26)

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面白い。この人はほんとに野太いひとだと思う。昔はこういった方が多かったのかも知れませんが、今はあまりお見受けしないように思います。(2010/05/26)

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