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瀬戸際40代に忍び寄る「思秋期」の恐怖

生殖性で危機を転機に変え、新たな山頂を目指せ!

2010年5月20日(木)

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 40代ビジネスマンの立場が、“ヤバい”ことになっているらしい。

 「40代の多くの社員は、そのまま惰性で過ごしていると、会社のお荷物になるってことが分かっていない。しかも、何も考えなくとも、周りがお膳立てしてくれる社会で育ってきた影響からか、責任感が極めて希薄だ。次を任せようと思える人材になれるか、それとも人員整理の対象となってしまうかは、自分たち次第だってことを分かっていないのが多すぎる」(ある企業の50代の役員)

 「40代は仕事ができない人が多いと思う。二言目には、バブルの頃は良かったなどと言うし、大きいことばかり言うけど、リアリティーが全く感じられない」(某大手金融機関に勤める30代の男性社員)

 私と同年代が悪く言われるのは決して気分の良いものではないし、すべての40代に当てはまるわけではない。でも、残念なことにこのような芳しくない評判を聞くことが多いのだ。

 今の40代の社員は、「名前さえ書けば即採用」などといった真偽の定かでない噂まで飛び交ったバブル時代の申し子である。30代の社員が指摘するように、求人倍率が2倍以上という“超売り手市場”の下、本来の実力以上に評価されて、運良く有名企業に入社できた人もいるだろう。

 採用面接に行くだけでご飯をごちそうになり、テレホンカードを山ほどもらい、内定が出た後には「地方研修」と称する旅行やディズニーランドへの遠足に連れていってもらう──。

 人材確保に躍起だった企業から「蝶よ、花よ」と歓待を受け、様々なわがままが通った“過去の栄光”を忘れ去ることのできない人がいることも事実だ。

リストラされる不安を最も感じているのは40代

 だが、40代の多くは、周囲が想像する以上に強い危機感を抱いている。

 それは、40代を対象とした様々な調査結果からもうかがえる。例えば、連合総研が発表した最新の職業短観によれば、40代の社員が非正規、正規にかかわらず「リストラ不安」を最も感じていると報告されている(連合総研が2010年4月に実施した「第19回勤労者短観」)。

 その中で紹介されている「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」の調査結果(速報)によると、「今後1年間に失業する不安を感じる」との問いに対して、「かなり感じる」「やや感じる」という回答の合計は全体の23.9%と、前年同月の調査結果に比べて0.4ポイント上昇した。

 世代別では40代が34.4%(前年同月比2.5ポイント増)でトップ。これは、ほかの世代に比べて10ポイント以上も高かった。

 また、2009年の調査(「第17回勤労者短観」)では、40代のストレスが増加していることも明らかになっている。「1年前と比較して仕事や職場でのストレスが増えた」との回答が40代で67.3%に達し、全体の55.5%を大きく上回っていたのだ。

 そういえば大手出版社に勤める大学の同級生も、40代のせつなさを漏らしていたことがあった。

 「自分もひょっとしたら…。そんな不安はうちのような割と安定している会社に勤めていても感じるよ。でも、だからといってどうしたらいいのか分からない。若い時のように仕事にガムシャラになれるかといったら、そういうわけでもない。だって1日徹夜したら、3日は引きずるでしょ。それに何となく自分の行く末も見えるから、いろんな意味であんまり無茶をしないようにって、妙な保身には走っちゃうよね。本当にこれでいいのかといったら、そんなことはないと思うんだけど…」と。

 40代に入って否が応にも肉体的なピークは過ぎ、気がつけば“ライン”に残っているのは一部のエリートたちだけ。ポスト不足の時代だから、課長という肩書きがついていても部下はいない。

 つい数年前まで担当していた新人の教育も、いつの間にか30代に取って代わられ、新規事業が激減するこのご時世では、新しいプロジェクトが始まることもなければ、プロジェクトリーダーを任されることもない。自分の存在価値が薄れていっているような気がしてしまうのだ。

 そう。上から下からヤイヤイ言われなくても、40代は自分の立場の危うさを知っている。本人たちが一番、行き詰まりを感じているのだ。

 何も“バブル入社組”だからという理由だけではない。20代や30代ではなかなかできなかったが、40代に入ってようやく自分を“客観的”に見られるようになった結果、自分の能力の限界を痛感し、どうしようもない無力感にさいなまれているのである。

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「瀬戸際40代に忍び寄る「思秋期」の恐怖」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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