「「熱血!会計物語 〜社長、団達也が行く」」

第33話「そうすると、IFRSの利益って何でしょうか?」

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2010年5月26日(水)

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これまでのあらすじ

 ヒノハラの社長、団達也のシンガポール大学時代の親友、ジェームスは上海の投資会社で新しいスタートを切っていた。イギリスのエジンバラ投資会社をクビになり、上海を新天地に選んだのだ。

 上海では、やはり大学の同窓であるリンダが「李団有限公司」という自身の会社を立ち上げ、達也との自動車部品ビジネスを実現するための準備をしていた。

 リンダは、アメリカの大手電子部品会社UEPCにいたが、ASEANがこれからの世界の中心になると考え、ここを本拠地にしていた。

 達也のビジネスモデルは、「金子順平が開発した製品を日本で量産し、上海にあるリンダの会社に輸出。リンダは親戚一族のルートを使って、中国の主要メーカーに販売する。資金はジェームスの会社に出資を頼み、3年後をメドに株式公開する」というものだった。

上海 ジェームスの事務所

 ソブリンリスク。それは外国国家に対する融資におけるリスクのことだ。つまり外国の政府や政府関係機関が発行する国債や政府保証債などの債券を買っても、その国家が破綻してしまえば、これらの債券は紙くずになってしまう。ユーロ圏では為替リスクはなくなった。だが、その分、ソブリンリスクが増大して牙をむいた。

 ドイツは国債の空売り禁止、金融取引への新たな課税など金融規制を一段と強化すると表明し、アメリカでも金融規制改革法案が可決され、金融機関の高リスク事業を制限する方向がはっきりしてきた。

 欧米での金融規制強化の流れが、投資家のリスク回避姿勢に拍車をかけた。たしかに規制をすれば経済が立ち直るわけではない。だが、国家は企業とは違うのだ。企業は破綻すれば、法的に処理して、それで終わる。

 だが、国家はそうはいかない。破綻国家のまま存続しなくてはならない。そこには、貧困という無間地獄が待ち構えている。

 そしていま、世界経済は歴史的転換点のまっただ中にある。

 (いまは様子を見るしかない。それにしても、日本は大変だな)

 と、ジェームスは考えている。

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著者プロフィール

林 總(はやし・あつむ)

林 總公認会計士、税理士、LEC会計大学院教授(管理会計事例)、林總アソシエイツ代表取締役。1974年中央大学商学部会計科卒業。経営コンサルティング、一般会計および管理会計システムの設計、導入指導、講演活動などを行っている。主な著書に『経営コンサルタントという仕事[改定版]』『よくわかるキャッシュフロー経営』『わかる!管理会計』『やさしくわかるABC/ABM』『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』『売るならだんごか宝石か』『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか』『つぶれない会社には「わけ」がある』など。最新刊は『コハダは大トロより、なぜ儲かるのか?』『読む管理会計 企業再生編――「キャッシュ経営」で会社を救え!』『読む管理会計 粉飾決算編――会社の「ウソの数字」にダマされるな!』『ドラッカーと会計の話をしよう』『世界一わかりやすい会計の授業』『貯まる生活―見えない未来にそなえる家計マネジメント術』。自身のホームページの「団達也会」では、「団達也と真理と一緒に会計を語りつくそう」という会員向けのサービスを主催している。



このコラムについて

「熱血!会計物語 〜社長、団達也が行く」

 主人公の団達也は、シンガポール大学ビジネススクールで学んだ後、恩師の経営コンサルタント、宇佐見秀夫の薦めで中堅電子部品メーカー、ジェピーに入社した。達也は、当時専務の間中隆三らによる不正が常態化、粉飾決算が行われていた。経理課長に就任した達也は、経理部員の細谷真理とともに数々の不正を明るみに出し、間中らを追放した。
 経理部長になった達也は、ジェピーCFOとして会社の再建に着手した。その直後から隠れ負債が発覚し、工場には仕掛かり在庫の山。資金繰りに窮したジェピーは、銀行からも見放され倒産寸前だった。
 ジェピーを救ったのは、かつての級友、ジェームス。ジェピーは、同じく級友のリンダが勤めるアメリカの大手電子部品会社UEPCの傘下に入って新たな道を歩み出した。
 創業者未亡人の大株主、財部ふみの遺言で達也の手にはジェピーの株式が渡ることになったが、達也はそれを手放し、自分の手で会社を立ち上げようと決心した――。
 管理会計が専門の現役会計士である著者による、“読む管理会計”シリーズの第3弾。ストーリーを追いながら、経営に役立つ管理会計の最新の理念と実践的な知識が身につきます。
第一シリーズ【「熱血!会計物語 〜経理課長、団達也が行く」
第二シリーズ【「熱血!会計物語 〜経理部長、団達也が行く」

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