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“借金まみれ”からの脱却目指す欧州サッカーリーグ

互いのノウハウを学び合う欧米スポーツビジネス界(中)

2010年5月27日(木)

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 2010年2月26日は、英プレミアリーグの歴史に大きな汚点を残した日として記録されることになりました。リーグ史上初めて経営破綻したクラブが現れたのです。

 経営破綻したのは1898年に設立され100年以上の伝統があるポーツマスFC。ポーツマスには、英国歳入関税局(日本の国税局に相当)への1200万ポンド(約15億6000万円)にのぼる未払い税などを含む約1億1900万ポンド(約170億円)の負債があると言われていました。

 同クラブは昨年5月から経営破綻するまでのわずか9カ月間にオーナーが3回も変わるなど(買い手はいずれも外国人投資家)、クラブ経営は混迷を極めていました。特に昨年9月以降は急速に資金繰りを悪化させ、選手への給与遅配を度々起こすなどトッププロクラブとしてあるまじき、前代未聞の失態を演じていたのです。

 しかし、プレミアリーグの内情を知っている関係者なら、ポーツマスの経営破綻に驚いた者は少なかったはずです。実は、プレミアリーグのビジネスモデルには後述するように成功と破綻が表裏一体となった脆弱性を内包しており、特にリーマン・ショックに端を発する世界同時不況により各クラブは急速にその財務内容を悪化させていたからです。

 今回のコラムでは、ビジネスモデルの変革を急ぐ欧州プロサッカー界の現状と、その解決策として米国プロスポーツモデルの導入を検討している意外な事実をお伝えします。

実は世界一の“借金リーグ”

 今年2月に発表された欧州サッカー連盟(UEFA)による財務報告書に、関係者は驚きを隠せませんでした。公表されたのは会計監査後の2シーズン前(2007~08年シーズン)の数値だったのですが、プレミアリーグの負債総額が35億ポンド(約4550億円)にものぼることが分かったのです。これは実にUEFAがライセンスを発行している欧州全732クラブの負債総額の56%を占める額でした(しかも、この数値には経営難でUEFAからクラブライセンスが下りなかった、ポーツマスとウエストハムの2クラブは含まれていない)。球団数では欧州全体で2.5%(18/732)にしか過ぎないプレミアリーグが、欧州サッカー界の負債総額の過半数を負っているのは驚くべきと言えるでしょう。

 リーグ別に見ても、プレミアリーグの抱える負債額は2位のラ・リーガ(スペイン)の約4倍、3位のセリエA(イタリア)の約8倍の額となっており、他リーグを圧倒しています(下表)。

 世界一の“借金リーグ”という不名誉なレッテルを張られているプレミアリーグですが、一概に負債が「悪」とは言えません。きちんと管理された借り入れは組織の拡大再生産のための健全な手段です。ただし、同時期のプレミアリーグのリーグ収入が24億4100万ユーロ(約2740億円。監査法人デロイト社による)であることを考えると、負債総額はリーグ収入の約1.7倍となり、財務的に健全とは言えない水準にあったことは明らかでしょう。

時間の問題だった経営破綻

 しかし、実はポーツマスのように経営破綻するクラブが出ることはある程度予測されていました。

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「“借金まみれ”からの脱却目指す欧州サッカーリーグ」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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