• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

【第1回】行動変容を起こす言葉こそ、コミュニケーションである

鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)×山本高史(コピーライター/コトバ代表)

  • 山本 高史,鎌田 實

バックナンバー

2010年5月31日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 混迷する政治や不況にあえぐ「リーダー不在」の日本。そこには、国や組織を引っ張るリーダーの“メッセージ発信力”の乏しさがあるのではないか。

 分かりやすく力強い、そして皆が共感するメッセージを発すれば、求心力を得ることができる。空気に迎合したり、空(から)言葉を発したりするのは、もうやめよう。

 リーダーに求められるメッセージ力(発信力)とは何か。そのヒントを、『空気は読まない』の著者で患者と地域に密着した医療を続ける鎌田實氏と、『伝える本。――受け手を動かす言葉の技術。』の著者で消費者の記憶に残る様々なキャンペーン広告を創り出してきた山本高史氏という2人の経験や見解を踏まえた対談から探っていく。

写真:鎌田 實(かまた・みのる)氏

鎌田 實(かまた・みのる)氏
医師・作家。1948年東京生まれ。74年東京医科歯科大学医学部卒業。長野県の諏訪中央病院にて地域医療に携わる。88年同病院院長に就任。2005年から同病院名誉院長を勤める。現在も山村への訪問診療を続けながら、日本チェルノブイリ連帯基金理事長、日本・イラク・メディカルネット代表として、国際医療支援活動にも取り組む。著書は『がんばらない』『いいかげんがいい』『空気は読まない』(以上、集英社)、『ウエットな資本主義』(日本経済新聞出版社)など多数。

山本 高史(やまもと・たかし)氏
クリエイティブ・ディレクター、コピーライター。1961年京都府生まれ。85年大阪大学文学部卒業後、電通入社。コピーライターとして、様々なキャンペーン広告を担当。2006年電通を退社し、コトバ(東京都)設立。トヨタ自動車、JR東日本、サントリー、オリンパス、ファンケル、トクホン、エスビー食品、キユーピー、JT、ユニクロなどの広告を手がける。著書に『案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」』(インプレスジャパン)、『伝える本。――受け手を動かす言葉の技術。』(ダイヤモンド社)、『最新約コピーバイブル』(共著・宣伝会議)など。

写真:山本 高史(やまもと・たかし)氏

山本 高史(以下、山本) はじめまして。1961年生まれで、年齢は48歳になります。寄る年波を感じているところで、人生の下り坂をどう降りていくのかを考え始めているところです(笑)。大学卒業後、電通に22年余り勤めて、独立しました。今も、広告制作の仕事をしています。妻はおりますが、子供はいません。以上、自己紹介でした。

鎌田 實(以下、鎌田) 東京生まれの東京育ち、大学を卒業後、長野の累積赤字4億円の病院の立て直しを手掛けました。同時に、脳卒中の発症抑制に取り組み、結果として医療費も減少させることができました。まあ、小さな地域の医療改革に取り組み、成功モデルの1つと言われました。

 天の邪鬼なんでしょうね、人生、上る風景よりも、下り坂の風景が結構面白いなと思っていて、若い頃から人生下りっぱなしです(笑)。今回の対談のテーマ「空気と言葉」は1冊の本にもできるテーマだなと、楽しみにしていたんですよ。山本さんの会社名も「コトバ」でしたね。

山本 そうなんです。「株式会社コトバ」と言います。社名を付ける時、占い好きの友人から「20個くらい考えろ」と言われたんですが、その中でカタカナの「コトバ」が1番良いということになったんです。

 現役として広告制作に携わる先輩たちに社名を伝える時は、緊張でぶっ倒れるほどでしたけれど、この社名にしたことで常に言葉を意識しなければならなくなりましたから、結果としては良かったなと思っています。ただ、いまだに恥ずかしいですね。1度領収書に「コバト」って書かれたこともありましたね(笑)。

「人は言葉に傷ついている」(鎌田)

鎌田 僕は『空気は読まない』(集英社)を出版する数カ月前に『言葉で治療する』(朝日新聞出版)という本を出したんです。これは『週刊朝日』で17週間連載したものです。この連載には、読者から医療に関して「看護師からこんな酷いこと言われて傷ついた」「心ない病院関係者の言葉に、夫は『病院に死にに来たようなものだ』と一言を残して亡くなりました」などのお便りが寄せられました。

 医療を巡って、人は随分言葉に傷ついているなと感じたんです。近年医学はすごく進歩し、命が助かる率はすごく高まっているのに、国民の医療に対する満足度は逆に下がっています。医学が科学であれば、進歩とともに満足度は上がるはずです。しかし、進歩とは逆に満足度が下がってしまうのはなぜなんだろうと考えた時、言葉の力が足りなくなって来たのかなと思ったんです。

 『空気を読まない』という本を書いたのも、言葉の力がなくなってきたことに危機感があったからです。言葉で論理的展開ができないだけではなく、感覚的なものをシャレタ言葉で表現できなくなってしまっていて、その場の空気に流されてしまうことがすごく多くなってしまったと思いました。極端に言えばそのことで、日本は弱くなってしまったんじゃないかと思っています。

コメント7

「リーダーのための「空気と言葉」論」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トップの身の丈が組織の限界を作る。

多田 荘一郎 GEヘルスケア・ジャパン社長兼CEO