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平和を目指すアジェンダ・セッティング

――常識の源流対論 薬師寺 泰蔵氏(その1)

2010年6月8日(火)

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伊東 乾(以下、――) 薬師寺泰蔵先生に最初にお目にかかったのは10年くらい前、大学の公務で僕が答弁したある予算の審査会場だったと思うのですが、問題の本質をいち早く見抜いてくださり、大いにエールを頂戴して、本当に嬉しかったのです。改めてお礼を申し上げます。

薬師寺 泰蔵(以下、薬師寺) そうでしたか。

薬師寺 泰蔵(やくしじ・たいぞう)
財団法人世界平和研究所理事研究顧問。慶應義塾大学名誉教授。1944年8月生まれ。68年に慶應義塾大学工学部を卒業後、70年に東京大学教養学部を卒業。77年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)政治学大学院にて政治学博士号を取得。埼玉大学や慶應義塾大学で教授を務めたほか、米カルフォルニア大学バークレー校で政治学研究員、ドイツ国際問題研究所やIFRI(パリ)で客員研究員となる。97~2001年に慶應義塾大学常任理事、2003~2009年に内閣府総合科学技術会議有識者議員。著書に『テクノヘゲモニー――国は技術で興り、滅びる』(中央公論社)、『「無意識の意思」の国アメリカ――なぜ大国は甦るのか』(日本放送出版協会)、『テクノデタント――技術で国が滅びるまえに』(PHP研究所)、『政治家VS官僚』(東洋経済新報社)など多数。
(写真:大槻 純一、以下同)

―― 小宮山(宏・東京大学前総長)さんがリーダーとなって、僕らのチームのトップは松本洋一郎さんでしたけれど、「学術創成のための知識構造化」というのをやろうと。小宮山先生は化学工学の畑で毎年膨大に増える物質をコンピューターで整理整頓する「ナレッジマネジメント」というのを考えられたわけですが、僕はそこに、ちょうど流行りものでもあった「ゲノム情報処理」を持ち込んだらイイでしょう、とやったわけで。

薬師寺 ああ、あれね(笑)。

―― ちょうど2000年の秋冬にこういう作戦を練って、2001年の春先だったと思いますが、江崎(玲於奈)さんが主査で、ずらーっと偉い人が並んでいて、経済学の某T先生なんかは「そんなもの、できるわけがない!」とか怖い声を出しちゃったりするのを、まあまあ、とできるだけニコニコしまして、松本さんと大垣(眞一郎=現・日本学術会議副会長)さんと実務担当の僕で虎ノ門のどこかに出かけたわけですが、いち早く「ゲノム情報処理で日本の工学技術を知識構造化されたら、それはなかなか敵わない! これは一本取られた」と薬師寺先生にエールを送っていただいて、無事プロジェクトが通りました。

薬師寺 そうでしたっけ? もう覚えてないよ(笑)。

―― 薬師寺先生は技術の裏打ちをキチッと見たうえで、ポリシーメイキングの中長期的な戦略に照準を合わされる方だ、と、あの時からずっと思っています。へんな話ですが面接試験なんかで、受験生もそうですが、並んで質疑している先生同士のほうが、興味の持ち方なんかで人となりが分かって仲良くなったりしますよね? 薬師寺先生の着眼点と手筋の確かさは、あの時以来・・・。

薬師寺 いやいや、そんな。

―― で、今回も国際的に見た日本の現在とこれからの手筋、とくにイノベーションなどに注目したいと思うのですが、お伺いしたいと思ったわけです。

薬師寺 よく分かりました(笑)。

―― 先週から今週にかけて政局が動きまして、奇しくも今日は「菅直人政権」発足の日にこの記事が公開ということになりました。鳩山由紀夫さんが最後の閣議で「日米・日中・日韓」と3つの外交キーワードを菅さんに渡して「よろしく頼みます」と伝えたとのこと。もちろん参議院選挙も目前に、国内状況は重要ですが、そうした課題がみんなグローバル状況の中で外とつながっていることを、国際政治の観点から改めて見直してみるのにはとても意味があると思います。

 昨年の秋に民主党への政権交代が起きてから、内政外交いろいろな動きが出てきました。普天間の問題は最も端的と思いますが、当初期待された方向で進まなかったものもあります。個別の問題についてはメディアに多くの論説が上ると思いますので、ここではまずグローバルな話題を3歩下がって、大きな視野で考える所からスタートしてみたいと思うのですが・・・。

アジェンダ・セッティングとしての二酸化炭素25%削減

薬師寺 じゃあカレントな話からね。小宮山さんも得意な環境問題で言えば、政権が変わって、国連の環境サミットみたいなところで鳩山前総理が2020年までの二酸化炭素(CO2)の削減目標を25%と打ち出した。

―― はい。

薬師寺 25%というのは1900年をベースにやっているわけですけれども、25%というのを国連で英語で話をしたのは、僕らの分野から言うとアジェンダ・セッティングというわけです。

 ご存じのように、外交というのは国と国の関係なんだけれども、国の中にいろいろサブナショナルなセクターがあって、そして例えば環境に関係する企業とか、NGO(非政府組織)とか、そういうセクターがある。そうすると国全体としての動きと、セクターと、少なくとも2つの見方があるわけね。

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