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「毎日株価をチェックする事は時間の無駄」である理由

投資の意志決定は直感的統計学で極めて簡単に行える

  • 吉田 耕作

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2010年6月17日(木)

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 前々回前回で統計学の最も基本的知識といえる平均値と標準偏差を学んだ。それらを使って、おそらく皆さんが興味をお持ちであろう投資を決定する事に応用してみよう。

 まず、ある投資家が現在一つの株の銘柄を選んで投資したいと考えているとしよう。投資家はより多くの収益率とより少ないリスク(危険度)を求める。そのために過去の収益率のデータを集め、その平均値と標準編差値を求める。

 平均値を収益性を測る指標として捉え、その収益性のバラツキ度を標準偏差で測ってリスクの測定値とし、その投資が他の株と比べて有望であるかどうかを決める。基本的には前回の図1のように“山の絵”を書いて考えるわけだが、幾つかの株を比べる場合、下に示す図1の様な2次元の平面図において比較するのが便利である。

株価はどのように決定されているか

 図1では縦軸に標準偏差で測ったリスクを用い、横軸に期待される収益率として過去の収益率の平均値を用いる。もしも収益率が同じならば、投資家はより少ないリスクを求めるのでこの図ではA点よりもB点が好まれる。また、もしもリスクが同じならばより高い収益率を求めるのでB点よりもC点が好まれる。

 つまり矢印で示したように右下に行くに従って、投資家には価値が上がるのである。つまりこの図は株価はどのように決定されるかを示しているといえる。この場合Cの株はより多くの投資家が好ましいと思い、その株に対する需要が増え、株価はAやBの株よりも高くなる。

 この図には幾つかの湾曲した投資無差別曲線というものが描かれているが、一つの無差別曲線上では投資家はその株の優位性にかんして、優劣が付けられず、同じである事を示している。例えばA点とD点を比べると、収益性はAの方が低いが、一方リスクも低い。こうなると、AとDはどちらが良いかわからないので、同じレベルの満足度(効用と呼ぶ)を与えている。 

 投資無差別曲線がなぜ直線ではなくカーブしているのだろう。図1の二つの三角形が示しているように、リスクが非常に低い状況では投資家はもう少し収益率を上げるためにかなりのリスクをとるが(∆ER=Expected Returnの増加分)、もうすでに高いレベルの収益性と高いリスクのある状態では増加収益性がかなり大きくないとさらにリスクを増やす事はしたがらない事を示している。

 また、投資無差別曲線はグラフ用紙のように一つの限定された形があるのではなく、どういう曲線になるかは個人の投資タイプや状況によって変わって来る。例えば、図2ではAさんはAのような曲線を好み、BさんはBのような曲線を好むかもしれない。つまり、Aさんは同程度の収益の増加に対して、Bさんより多くのリスクをとるタイプであり、Bさんはそれに反して、あまり危険をとりたくないタイプと言えよう。

 図1のグラフを使って、次のような3つの株の中から最も望ましい株を選ぶ事を考えてみよう。

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