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自己否定により進化する欧米プロスポーツ界

互いのノウハウを学び合う欧米スポーツビジネス界(下)

2010年6月10日(木)

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 これまでの2回のコラムでは、国内市場が飽和しつつある米プロバスケットボール協会(NBA)などの米国プロスポーツが海外投資家のマネーを狙って市場拡大を模索する一方(詳細は「中国資本と欧州モデルに活路見出すNBA」参照)、逆に海外マネーを引き付けてきた英プレミアリーグなどの欧州サッカーリーグが、過剰投資を抑え、地に足をつけた経営を実現するために米国のビジネスモデルを参考にしていることを解説しました(詳細は「“借金まみれ”からの脱却目指す欧州サッカーリーグ」参照)。

 スポーツビジネスと言っても、欧州と米国で採用されているビジネスモデルは対照的なものです。今回のコラムでは、過去2回のコラムを整理する意味も含め、欧米のスポーツビジネスモデルの違いを整理すると同時に、近年この2つの異なるビジネスモデルで見られる動きが一体どのような意味づけを持つものなのかを考えてみたいと思います。

米国プロスポーツが標榜する共産主義モデル

 「自由」「平等」を金科玉条とし、「競争=善」とする米国なだけに意外かもしれませんが、米国のスポーツビジネスで採用されているのは、実はこうした価値観とは対極にある市場原理を排した共産主義的モデルです。そして、この考えはスポーツビジネスの特殊性に密接に関係しているとされています。

 他のビジネスに比べ、プロスポーツビジネスの最も特殊な点は、その最終製品(=試合)が複数チームのパフォーマンスが織り成す複合物であるという点です(自動車産業で言えば、トヨタ自動車と日産が競争しながら1台の車を作るようなものかもしれません)。そのため、特定のチームが飛びぬけて強くなりすぎないように(大差がついて試合がつまらなくなる=顧客満足度が下がる)、ある程度チーム間の経営規模、戦力バランスを均等化する必要がある、というのが米国スポーツビジネス界での定説となっています。

 「戦力均衡を促進し、試合結果の予測不確実性を高める」ということになるのですが、言い換えれば、同じような戦力を持つチームを増やして、どこが勝つか出来るだけ分からない状態を人為的に作り出すということです。

 戦力均衡を促進する(同じような戦力を持つチームを増やす)ためには、球団の経営規模や選手獲得予算を揃えると同時に、選手の流動性をきちんと管理する仕組みが不可欠です。なぜなら、何もしなければ選手獲得予算の多い球団の方が能力の高い選手を獲得できる可能性が高くなるため、経営規模の多寡に応じて戦力に格差がついてしまうからです。

 そのため、米国メジャープロスポーツでは、リーグ収入を全チームに均等分配して“下駄をはかせ”たり、収入の多いチームから少ないチームに収益の一部を移転させる「収益分配制度」が導入され、球団の選手獲得予算に上限と下限を定める「サラリーキャップ制度」が導入されているわけです。こうして経営規模や選手獲得予算を均等化するのです。

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「鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」」のバックナンバー

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「自己否定により進化する欧米プロスポーツ界」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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