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死の悲しみを乗り越えさせた、会社の“力”

社員に安らぎを与えるオフィスとは?

2010年6月10日(木)

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 最近、同年代の友人たちの父親や母親が亡くなることが多くなった。「あ~、もうそういう年齢になったか」と思う反面、自分の親のことになると全くリアリティーがない。

 3カ月前のことだ。父が「ちょっと胸がドキドキするから検査に行ってくる」と病院に行ったところ、そのまま入院。緊急手術を受けた。

 母から急きょ呼び出された時は、ほとんどパニック状態。医師から次のような説明を聞いた瞬間は、目の前が真っ暗になった。

 「早く病院に来たからよかったですが、そのままにしていたら危なかった。心臓に最も近い血管がほとんど詰まっているので、すぐに手術をしないと危険な状態です」

 でも、すべてがまるでドラマのような感じで、全くリアリティーがない。深夜から明け方にかけて行われたオペの最中も、ICU(集中治療室)でもうろうとしている父の姿を目の当たりにした時も、何が起きているのか把握できない状態だった。

 「このままでは危ない」と医師からいくら言われても、ただただ「父に大変なことが起きている」ということしか、情けないことに理解できなかったのである。

 幸い、父は早く処置を受けたおかげで元気になり、今では手術を受ける前と変わらないほどに回復している。

 ただ、以前はまるで他人事だった「その時」が、「いつか訪れるんだ」という確信だけは私の心の片隅に刻み込まれた。

 同時に、「その時」に自分が受けるショックを考えるだけで恐怖を感じるようになった。恐らく、“大切な人がいなくなる”ショックは、現実に遭遇した人だけが知り得る感情なのかもしれない。

母親を亡くした知人を救ったもの

 で、なぜ、こんな話をしているかというと、実は先日、母親を亡くした知人のA子の一言に、考えさせられたからである。

 「会社は私たちを決して守ってはくれないけれど、会社に自分が守られることがある。会社があって本当によかった」

 彼女はこう漏らした。

 大切な人の死という悲しみから救ってくれたのが“会社”だったとは、どういうことなのか。

 これまで会社の人間関係や、人とのつながりについて問うことはあった。だが、今回は、会社について考えようと思う。

 何のために働くのか? とか、どんなキャリアを歩むか? とか、会社は誰のものなのか? ということではない。

 たとえそこにコミュニケーションがなくとも、たとえそこにやりがいがなくとも、会社という空間=場所が、ビジネスパーソンにとってどういう意味を持つのかを、考えてみる。

 まずは、A子の体験を振り返ってみよう。

 彼女の母親は、胆石の手術を行うことになっていた。母親からは、「2週間くらいで退院できるっていうから、留守の間、お父さんをよろしくね」と言われていたそうだ。

 胆石の手術は決して珍しいものではない。母親はすぐに帰ってくるとA子は信じて疑わなかった。

 ところが、術後の経過が悪く、容体が悪化。結局、母親は入院したまま2週間後に亡くなってしまった。まだ70歳だった。

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「死の悲しみを乗り越えさせた、会社の“力”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官