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「ゆとり」が「甘やかし」に化けた日本

授業中に手を挙げれば10点満点、それは恵まれた環境か?

  • 佐藤 紀泰

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2010年6月14日(月)

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 日本の多くの企業では今年4月に入社した新入社員が研修を終え、職場に配属されているはず。研修中はあまりに新入社員の意欲の低さに、「うちの会社の未来は大丈夫か」と頭を抱える人事部の育成担当者が多くいたという。ただ、日本企業はゆとり世代を育てて行かないと、未来はない。

 ただ、若手を育てる仕組みが劣化しているのがつらいところだ。1990年前後のバブル景気の時に大量採用された「バブル入社」世代が管理職となっている。この世代は、バブル崩壊後に新卒採用が大幅に抑制されたため、部下を育てた経験が乏しい。さらに、バブル入社世代がたくさんいて、昇格の機会が乏しい30歳前後の「就職氷河期世代」も、夢や目標を持てない「失われた世代」になりつつある。

 日本企業は高度経済成長期以来、人材の育成力が最大の強みだった。だが、その勝利の方程式が崩れ始めている。「教えない」「学ばない」という風土が蔓延したままでは、日本企業の競争力はこれからも沈みっぱなしになりかねない。「人材大国ニッポン」を復活させるために何が必要なのか。専門家や企業の経営トップに聞いてみた。

 第1回は人材コンサルティング会社、ウィル・シードの船橋力社長だ。船橋社長はダボス会議を主催する世界経済フォーラムが選ぶ「ヤンググローバルリーダー」の1人であり、有力企業の新人研修を引き受けている。

(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)

 ―― 船橋さんは「ゆとり教育」を受けた若者について詳しいですが。

ゆとり教育を受けた世代に詳しいウィル・シードの船橋力社長(写真:清水真帆呂、以下同)

 船橋 まず、言いたいのは、ゆとり教育は目的としては良かったわけです。世界の先進国を見渡せば、ほとんどがゆとり教育でしょう。

 北欧なんて、特にそうです。ゆとり教育が徹底されていて、一人ひとりの子供たちが自分でしっかり考える習慣ができている。だから、ノキアとかすごい会社が出てきているのです。

 日本はゆとり教育の運営が良くない。ゆとり教育は個性尊重なのですが、その一方でしっかり自分自身で生きて行く責任とか、自我とかを育てなければならないのに、なぜか日本では甘やかすようなことばかりやっているのです。

「今日、研修休みます」と親から電話

 ―― 具体的に最近の新入社員で、ゆとり教育の影響は出ているのでしょうか。
 出ていますねえ。ある商社では今年の新人研修で、こんな事件が起きたそうです。

 研修日に新入社員が体調を壊したと言って、親が会社に電話をかけてきたとか。商社と言えば、日本の就職氷河期でも最も入るのが難しいところでしょう。それが、いきなり、こんなことが起きるとは。大きな驚きです。

 ―― 船橋さんも、商社出身ですよね。

 ええ、そうです。商社マンになるからには海外に出たいとか、思うものです。最近はそんな感じでもないようです。もちろん、商社には全体的に見て、ゆとり世代とはいえ、優秀なトップ層が入っているとは思いますが。

東京大学も合格しやすくなった

 ―― ゆとり教育の運営が悪かった、というのはどういうことですか。

 大切に育てられ過ぎでしょう。競争させないと、打たれ弱くなります。学校での成績評価も相対評価から絶対評価になりました。要するに、順位をあまりつけないのです。手を一生懸命、授業中に挙げていたら、成績表が10になったりします。土曜日と日曜日を休みにして、いろんな経験を積ませるようにしたはずが、塾ばかり行っているでしょう。

 この世代は非常に恵まれた環境に育っています。大学入試にしても非常に簡単になりました。東京大学にしても、非常にシステマティックに勉強して、合格する仕組みができているのです。答えから見て、解き方を暗記するようなことがより簡単にできるように、すごい参考書がそろっています。

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