• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

フルスイングできないバブル管理職

成果主義の下で「リスクを取れ」と言われても…

  • 佐藤 紀泰

バックナンバー

2010年6月15日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本能率協会の村橋健司・教育・研修副ユニット長は、人事戦略の論客として知られる。今年1月には日本企業1000社を対象にした「人づくり実態調査」もまとめた。人材育成の足かせになっている成果主義の大胆な見直しが必要だと指摘する。


(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)

 ―― 村橋さんから見られて、日本企業の若手育成での最も大きな問題は何でしょうか。

「親の目で若手を育てよ」と説く日本能率協会の村橋健司氏

 村橋 やはり成果主義の弊害が大きいでしょう。人を育てる風土になっていない。若手を育てるのは管理職の仕事です。その管理職が「親の目」ではなく「評価者の目」になっている。

 成果主義が導入されてから、15年がたちました。人を育てるというより、戦力としてどうなのかとばかり見ている。ここが問題です。

 成果主義を導入してからの日本企業は評価者の訓練をやってきた。部下のマネジメントをどうするのか、どう成長させるのか、そこのところの教育はあまり力が入っていないのです。評価のやり方だけ教えてもだめでしょう。

「リスクをとれと言われても」

 ―― 現在の管理職は1990年前後に大量採用された「バブル入社世代」です。この世代に若い、ゆとり世代を育てられるのでしょうか。

 全体的に見ていて、そうしたミドルがだらしない。大量採用されて会社に入りましたが、その後はバブルが崩壊してしまった。「攻めよりも守り」という意識が強いのです。日本企業の中間管理職はこういう意識があまりにも強すぎる。

 それで、経営陣とかが、「もっとリスクをとれ」なんていっても、成果主義なのですから、簡単ではない。リスクをとって、失敗すると、責任をとらされる。今のバブル世代の管理職の特徴を一言で表すと、「フルスイングができない」世代です。そこを立て直していかないと。

 ―― 日本企業の中では成果主義の見直しも始まっていますね。

 ええ、一部企業では。揺り戻しが起きています。ただ、日本企業で言えば、最も保守的なのが人事部です。成果主義を導入する時はものすごいパワーが必要だった。そのために、なかなか抜本的な見直しができていない。

 個人の目標のうち、せいぜい1割ぐらいが部下の育成でしょう。それでは少なすぎる。部下の弱みとか強みとかをしっかり考えるようにしないと。そのためには部下育成の評価をもっと重視すべきでしょう。

 自分のキャリアを伸ばすのは一生懸命だが、部下の育成にあまり熱心ではない。それが日本企業の多くで見られることです。半期に1度の面接とかではなく、もっと短い期間でやっていかないと。

 中身もより充実させ、部下へのフィードバックとかもしっかりやる必要があります。日本企業ではサントリーとか、ブラザー工業とかは非常に良いのではないでしょうか。

 サントリーでは部下との面談について、人事部とか労働組合とかも、上司と部下の面接についてどのような感じなのかをアンケートなどで調査しています。上司の管理職の部下指導の研修もしっかりしている。

 ブラザー工業では優れた情報システムを活用して、部下の面接での情報をしっかり蓄えて、次の上司となる管理職が簡単に部下を理解できるようにしているそうです。

業績向上に寄与しない研修が多すぎる

 ―― 今年1月には「人づくり実態調査」をまとめられています。

 驚いたことがたくさんあります。そこでは人事部に対して、新人とか管理職とか、様々な階層別研修について、その効果を聞いています。すると、多くの研修については6~9割ぐらいが「機能した」「うまくいった」とか答えています。

 しかし、人材育成の研修が究極的な目標とする業績向上への寄与について聞くと、全体の4分の1ぐらいの企業しか、「狙い通り」「ほぼ狙い通り」と答えていません。あまりにも業績向上への寄与に自信のない企業が多すぎる。

コメント19件コメント/レビュー

 フルスイングできないのは世代論ではなく、それが一番経済合理性があるから。マニュアルがないと行動しないのも、それが一番責任を取らなくてよいから。 どの世代も一番経済合理性がある行動をとっているだけです。(2010/06/16)

「企業を蝕む"ゆとりの病"」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 フルスイングできないのは世代論ではなく、それが一番経済合理性があるから。マニュアルがないと行動しないのも、それが一番責任を取らなくてよいから。 どの世代も一番経済合理性がある行動をとっているだけです。(2010/06/16)

仮説「大量入社のバブル世代が使い物にならない」が真であるとすれば、その後に「就職氷河期世代」の者が高度な選別を経て就職しているので使い物にならなければ不自然。後者も真ならば、企業は営利目的集団であるから、氷河期世代が先に出世し、彼らが管理職となってバブル世代を教育すればよいのである。---以上が暴論であると思うのであれば、貴記事も暴論の可能性が推測されるが、いかがか。フルスイングして日経グループから首を切られるリスクを負う覚悟もおありだろうか。(2010/06/16)

リスクを取るのは経営者の役割だと思う。管理職が毎回毎回フルスイングしていたら、それこそリスクが大きすぎる。「今回は振って行くけど、次回は見送ろう」といった是々非々が現場にはあるはず。社員全員がブンブン振り回す会社の行く末は?フルスイングしないという結果を責めるのではなく、フルスイングしなかった判断の中身をみて評価すべき。数人の社員の集団を「家族」に見立てて若手育成に取り組む例は、昔の古き良き時代の大企業チックなやり方で、会社の文化や社員の性質によって合う・合わないがあるだろう。(2010/06/16)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授