• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

連載初日:相撲部はなぜ潰れたのか

2010年6月15日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネス6月14日号の特集「人づくり危機『不安3世代』バブル、氷河期、ゆとり世代」は、人材育成がテーマである。「採用、育成に失敗すれば競争に負けてしまう」という危機感は、取材したどの企業からも伝わってきた。人事担当者が直接口にすることもあった。「うちの強みは人材だけだから」と。

 この言葉を聞きながら、記者は学生時代の部活動を思い出していた。あらゆる組織にとって、人材は何にも代え難い貴重な資源なのである。採用と育成での失敗は組織の死を意味する。しかし、10年前はそのことが分かっていなかった――。

 当時、記者はある国立大学の相撲部に所属していた。相撲はスリリングで楽しい競技だ。決まり手の多さから分かるように、立ち会いの瞬間から競技者は限りなく自由に動ける。自分の能力と相手の雰囲気を鑑みながら、最適な動きをイメージして、それを必死で実現する。懐に潜り込むのか、四つに組むのか、意表をついて足を刈るのか――。

廻しは、先輩のお古をもらう

 大学から始めるにはちょうどよい競技といえる。まず初期投資を抑えられる。必需品は廻しだけだが、一度買えば卒業まで使える。記者がいた相撲部では先輩の“お古”がもらえた。

 次に技術的な参入障壁が低い。キャッチボール経験も無い新入生が来たら野球部は困惑するだろうが、相撲部の場合は経験者の入部は極めて少ない。せいぜい「わんぱく相撲(小学生向けの大会)に出場したことあります」ぐらいである。

 相撲の強豪大学では別だろう。だが、記者が入部した相撲部では「足の裏以外の体の部位が土俵に付けば負け」「土俵から外に出たら負け」という2点を知っていれば、入部した日から申し合い(試合形式の稽古)もこなせた。もちろん強くなるには気が遠くなるような稽古が求められるが。

 ほかには、誰でも両国国技館の土俵に立てるという特典もある。記者は9月に入部して翌月にはインカレに出場、初土俵を踏んだ。競技人口が少ない大学相撲部ではインカレ出場を巡る予選はない。いきなり両国で全国大会デビューできるのだ。当時、19歳だった記者は魅力的に感じた。

同期は後の大関 雅山に、1秒で倒される

 もちろん部内で団体戦や個人戦の出場を賭けたレギュラー争いはあるだろうが、多くの弱小相撲部は慢性的な部員不足だ。映画「しこふんじゃった」を思い出してもらえばいい。

 この映画では主人公役の本木雅弘が、相撲部を訪れた時点で竹中直人が演じる“8年生”しかいなかった。ちなみに記者が入部した時は新入生を除く部員は4人だった。まもなく4年生の2人は引退した。

コメント2

「国立大相撲部・元主将が語る 部員も社員も必要です」のバックナンバー

一覧

「連載初日:相撲部はなぜ潰れたのか」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本当の問題は労務費ではありません。 熟練技能を持つ職人さんが 少なくなっていることです。

押味 至一 鹿島社長