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第1回 ディズニーランドで楽しく働けなくてもしょうがない

行きたくなる会社、行きたくない会社

  • 武田 斉紀

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2010年6月14日(月)

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人生で一番元気な時期の“7分の5”をどう過ごすか

 前回のコラムシリーズ「よく生きるために働く」では、こんな意見をよくいただいた。「働く理由など、生きるため、生活のためであってそれ以外にない。働かないですむなら働かないし、仕事よりもプライベートを充実させたい」と。今回のシリーズ『行きたくなる会社のつくり方』でも、こう考える人が少なからずいると既に思っている。

 「会社に行きたくて行っているわけではない。生きるため、生活のためにお金を稼がないといけないから行っているだけだ。行かなくてもすむなら行かないし、会社よりもプライベートを充実させたい」

 「生きるため、生活のために働く、そして働くために会社に行く」という説明には私も同感だ。ごく一部の、すでに十分な資産がある人を除けばどなたも同じだろう。プライベートの時間が大切であることを否定する人も現在ではほぼいない。

 より短い時間でより多く稼いで、一日も早く働くことから足を洗いたいと考えている人もいるだろう。しかし現実にはほとんどの人にとって、定年あたりまでは、働く時間も会社に行く時間もなくならない。働く時間、会社で過ごす時間は、否応なく「大人人生の半分くらい」を占めてしまっているのだ。ひいては日本の雇用市場はグローバル化にさらされて、同じ給料を手にするためにより長時間働かざるを得ない状況になってきた。

 “サザエさんシンドローム(症候群)”という言葉がかつてはやった(“ちびまる子ちゃんシンドロ-ム”とも呼ばれた)。日曜日の夕方の「サザエさん」を見終わる時間になると、「また明日から会社だ」という現実に引き戻され、気持ちが沈んでしまう状態のことだ。そういう人は月曜日の朝に会社に向かいながら、今週はあと何日で終わるだろうかと指折り数え、溜め息をついていることだろう。

 私も仕事がつらい時期にそんなブルーな気持ちになったことがある。ある日、電車の中で今週の残りの日にちを数えている自分に気づきはっとした。会社に行く日は5日、行かない日は2日。自分は人生で一番元気な時期の7分の5の時間を嫌だ嫌だという気持ちで過ごしている。なんてもったいないんだ。ただ生きるため、生活のために会社に行く毎日を何とかしたいと思った。

1万人以上へのインタビューから見えてきたこと

 私は幸運にも、これまでに日本中のさまざまな業種、さまざまな規模の会社でインタビューする機会をいただいた。相手は社長をはじめ、役員、中間管理職である部長や課長、現場のリーダー、そして新入社員も含めた一般社員の方々、アルバイトやパートの方にもたくさんお会いした。ざっと計算しただけでも1万人以上の方から話を聞いたことになる。

 インタビューの内容は、仕事についてはもちろん、なぜこの会社を選んだか、仕事への思いや今後してみたいこと、抱えている悩み、そしてプライベートにまで及んだ。仕事を楽しんでいる人も多かったが、仕事上の悩みが全くないという人はいなかった。多くの人にお話しを聞く中で、会社という組織と働く人との関係が少しずつ見えてきた。

 「生きるため、生活のために会社に行く」のだとしても、1週間の7回に5回、朝起きたときに「行きたくない会社」ではなく、「行きたくなる会社」にできないか。そのために、雇われて働く人たちは、また経営者や経営に関わる人たちは、どんなことに取り組んでいけばいいのだろう。

 「行きたくなる会社」に通うことができれば、「行きたくない」会社に通っているよりも、社員は元気で生き生きと働ける。高いモチベーションから、自ずと業績にも繋がり、共に難局も乗り切れることになる。それは経営にとっても理想の姿だ。

 このたび、私が得てきた「行きたくなる会社、行きたくない会社の違い」や「行きたくなる会社作り、会社選びのノウハウ」をまとめる機会をいただいた。6月26日に『行きたくなる会社のつくり方』として上梓する。今回のコラムではそのエッセンスをご紹介しながらも、オンライン版ならではのタイムリーな情報もお届けできればと考えている。

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