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部下を育てると、自分のポストがなくなる

あまり評価されていない氷河期世代は会社へのロイヤルティが低い

  • 佐藤 紀泰

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2010年6月21日(月)

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 企業研修などを引き受ける人材コンサルティング大手のアルーは人事部や若手社員などの意識調査をほぼ毎月、実施して、日本企業の人材育成の問題点を明らかにしてきた。6月14日号特集では日経ビジネス編集部と共同で、人材育成担当者300人への「ゆとり世代の新入社員」の教育についても調べた。

 そこで浮かび上がるのは企業の人材育成部門がやはり、ゆとり教育世代の育成に頭を悩ましていることだ。今回の調査でも人材育成担当者の7割弱が、「就職氷河期世代よりもゆとり世代の育成が難しくなっている」と回答した。

 こうした現状を踏まえ、これから日本企業は若手育成をどのように変えるべきなのか。同社の創業メンバーである池田祐輔取締役と落合文四郎社長に聞いた。


(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)

新人はあいさつでリーダーシップを

 ―― 今回の調査でも、ゆとり世代の育成について危惧する声がかなり出ていますね。

若手育成の現場に詳しいアルーの池田祐輔取締役(写真:清水真帆呂、以下同)

 池田 そうですね。それでも、今はゆとり世代を含めて若い世代を育て、リーダーシップを発揮させることを日本の企業として優先すべきだと思います。

 日本経済は今、衰退、停滞しています。厳しい不況の中にあります。ただ、不況期はチャンスでもあるのです。経済が安定した時代は大企業が強い。若い人材はコマであり、兵隊であり、上意下達の人間が好まれます。しかし、不況期は既存のビジネスの枠組みが大きく変わります。企業の既存顧客が不況期には動き出す。それに対応できるかが勝負です。

 となると、上意下達よりも、現場の最前線が権限を持って動く必要があります。現場は若手ですよね。こうした若手がリーダーシップを発揮できるようにしないと、厳しい競争に勝ち抜けません。私は今年の新人研修でも、まず「あいさつでリーダーシップを取れ」と言っています。それこそ「おはようございます」と大きな声で言うようにとね。

 そうすると、周囲も動かされるものです。あいさつ1つで印象も変わります。影響も与えられます。新人の時から、こういう経験をさせることが重要でしょう。

 ―― 新人を含めて若手がリーダーシップを発揮できるのでしょうか。

 池田 もちろん、上司がしっかりと理解しないとだめです。そのためには若手の意識のモニタリングが重要になります。毎月、新人と上司が短い時間でも話をして、その内容を本社の人事部門が集めて、しっかりフィードバックすることです。

 フィードバックは新人の悩みとかを育成する管理職が共有する。1カ月に30分でも、1時間でも良いのです。新人の教育担当者と課長が新人の悩みを聞いてやる。その心構えが重要です。みんな目先の仕事が忙しいから、こうした制度の導入は現場からの不満が出てくる。

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