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第36話「社長、これはジェピーと全く同じ手口の粉飾ですね」

2010年6月16日(水)

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これまでのあらすじ

 日豊自動車の専務である湯浅は、購買部の山田克美が、無駄な投資と無駄な在庫を、一次下請けであるヒノハラに強要していたのではないかという疑いについて、当人の山田にぶつけてみた。

 そもそも、この疑惑を口にしたのは、湯浅の高校時代の恩師、金子尚三だった。

 「ヒノハラに設備投資を勧めたのも、きみなんだね」。湯浅の質問に対して山田は、「私には設備投資を決める権限はありません」と否定した。

 しかし湯浅は山田が以前、日野原工業時代に不正を行っていたことを確信していた。

 ヒノハラ経理部長の細谷真理は、社長の団達也に言われて国際会計基準のIFRSにのっとって決算書を作成していた。真里は初めて勉強するIFRSの概念がこれまで勉強してきた会計の考え方と違っていることに戸惑っていた。

ヒノハラ社長室

 「社長!」
 真理が血相を変えて達也の部屋に飛び込んできた。

 「この記事ご覧になりましたか? ジェピーと全く同じ手口の粉飾です」
 それは上場して1年もたたずに上場廃止になった半導体製造装置メーカーの記事だった。

 「新幹線の中で読んだよ。株式公開直前の2010年3月期の売上高のうち100億円以上が架空だそうだね。2009年も売上高118億円のうち実際の売り上げはたった3億円。2年続けて売上高の97%が粉飾なんて、開いた口が塞がらないよ。きみが言う通り、斑目部長が考えたのと同じ手口だね」

 「そうなんです。確かジェピーの時は、誰もが知っている優良企業に売ったことにして、実は、湖西市の営業倉庫に製品を持ち込んでましたよね。

 団さんと西郷さんと一緒に、その営業倉庫に行って製品在庫の写真を撮って、間中専務に突きつけた…。

 この半導体製造装置メーカーは、韓国や台湾の実在する半導体メーカーに売ったことにしていた。海外の会社を使ったのは、湖西の営業倉庫のように気軽に行けないからでしょうね」
 と、真理が聞いた。

 「そうだろうね。でも、上場審査の段階で売掛金の多さにもっと疑いを持つべきだった」

 「ジェピーの時は、売掛金が多すぎるし、営業キャッシュフローの赤字が多すぎるって、団さん、おっしゃってましたものね」

 「この会社は上場して半年後の2010年9月末の売掛金は250億円なんだよ。 年間の売上高は約100億円として、2年半売上高に相当する額だ。それに2010年の営業キャッシュフローは半期で22億円の赤字だよ」
 達也は憮然とした表情を浮かべた。

「「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第36話「社長、これはジェピーと全く同じ手口の粉飾ですね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長