「企業を蝕む

日本企業を脅かす「30歳社員問題」

危ない7〜9年目若手社員、「仕事充実していない」が34.3%

  • 佐藤 紀泰

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2010年6月22日(火)

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 人材育成大手であるシェイクの吉田実社長は早くから、日本企業における「30歳問題」を指摘してきた。「入社して7年から9年ぐらいの30歳前後の社員がやる気を失っていることが日本企業の活力を落としている」というわけだ。いかに、この世代の意識改革を促していくのか。企業の人づくりにおいて、大きな挑戦になりそうだ。


(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)

 ―― 日本企業の30歳問題の重大性について語られています。

 吉田 最近のアンケート調査を見ても、すごく深刻なことになっています。例えば、今年2月に従業員200人以上の企業を対象に意識調査をしました。それは「働く価値観に関する調査」です。そこで浮かび上がったのは入社7〜9年目の若手社員の絶望的な思いでした。

日本企業が直面する「30歳問題」を指摘するシェイクの吉田実社長

 この世代は就職氷河期の中でも、最も厳しい就職を迫られました。自分が希望した会社に入れなかった人も多い。調査の数字を少し紹介しましょう。

 例えば、「現在、仕事が充実しているか」という質問に対して、7〜9年目の社員は「充実していない」と34.3%が回答しています。この年齢層が最も多く、そのように答えています。

 また、「仕事を通じて達成したい夢や目標がない」「自分なりの価値や自分らしさが発揮できていない」という回答も年齢層別では30歳前後が一番多いのです。さらに、「(自らの業務が)重要な役割を担っている」と回答したのも37.4%と非常に低いのです。こうした数字から見ても、30歳前後の絶望的な思いが伝わってきますね。

上で詰まっている「大量採用のバブル入社組」

 ―― なぜ、この世代は仕事に絶望しているのでしょうか。

 本来であれば、この30歳前後の世代は仕事も覚え、最もやる気が高い人たちのはずです。日本企業の歴史を振り返っても、そうでしょう。仕事が分かり、責任を任され、会社をどんどん引っ張っていくような世代です。

 しかし、現状は違う。上には大量採用のバブル入社組が詰まっていて、昇格も難しい。組織のフラット化で管理職ポストも減っていますしね。新人時代は会社の業績が厳しくて、いろいろ新しいことにも挑戦させてもらう機会が少なかった。だから、充実感が得られなくなっている。

 働く目的も感じられない。何のために成長するのか、という思いが強いのです。昇格を望まなかったりするようになり、現場の活力低下につながりかねないのです。

 そうなると、悲劇でしょう。家族のために働くというのも良いですが、それでは会社にとっては大きな損失になる。この30歳世代の意欲をいかに高めていくかが重要なのです。

 ―― 30歳前後の意欲低下は成果主義にも関係があるのでしょうか。

 ありますね。成果主義で同期と差がつき始めるのが、この30歳前後です。同僚の中でも選抜される「勝ち組」が出てきます。それが見えてしまうと、自分がダメなのか、と諦めてしまうような人も多いでしょう。

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