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サービス産業は日本経済を支える覚悟を持て!

2010年6月22日(火)

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 いつのまにか、サービス産業が経済活動の主役を担う時代になっていた。実は、同じことが、わが国だけでなく、他の先進国や多くの新興国でも見られる。このサービス産業について、これからこのコラムで議論していきたい。

製造業が直面する限界

 20世紀は、製造業が最先端の科学技術を積極的に導入し、製品を大量に生産することで、便利で快適な社会を作ってきた。これにより、人々の生活は豊かになり、モノづくりを担う製造業が果たした役割は大きい。

 しかし、多くの国々で、人々の生活に充足感が出始めてきた。科学技術の粋を極めた様々な製品が日常生活の中で溢れる一方、多くの人々が、これら製品に装備されている高い機能を使いこなせない状況ももたらしている。最先端の技術が組み込まれた製品ではなく、サービスを一体化した製品が爆発的にヒットすることも多くなった。iPodやiPadなどがその代表的な例だ。

 つまり、ひたすら科学技術の先端を追い求め、高い機能を持つ製品を開発してきた製造業のこれまでのやり方が限界にきているのである。

 問題をより大きくしているのが、人口の減少である。これは、需要に対して、供給が過剰になる状況をもたらし、数ある製品の中から、欲しいものだけを消費者が積極的に選択するという購買行動へシフトさせている。つまり、これまでは、企業が安価な製品を大量に生産し、それを消費者が購入する「売り手主導」の経済活動であったのが、今は消費者が企業を選別する「買い手主導」の経済活動になり始めた。さらに、地球環境問題やエネルギー資源の制約が本格化すれば、製品製造をこれまでのように自由にできる社会ではなくなる。

 この経済活動の転換は、これまでも多くの専門家によってしばしば指摘されてきたが、多くの企業にとって、「顧客が求めていることに応え続けること」でしか、企業としての成長が望めない時代になったのである。

ムダは多いが高い成長余力

 社会経済状況の大きな変化の中で、サービス産業の役割が年々高まっている。日本では、経済活動の約7割を、サービス産業が占めるまでに至った。また、就業者の約7割がサービス産業で働き、雇用の大きな受け皿にもなっている。

 地方部に目を向ければ、サービス産業の役割はさらに大きい。これは、それまであった工場が、グローバルな市場競争にさらされ、より労働賃金が安い国々へ移転し始めているからである。これから本格化する少子高齢化社会でも、サービス産業が大きな役割を持つことが期待される。しかし、このサービス産業が抱える課題は実に大きい。

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「サービス産業は日本経済を支える覚悟を持て!」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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